• トップ
  • 読みもの一覧
  • 子宮体がんの手術の目的と方法を知る
知識
子宮体がん

子宮体がんの手術の目的と方法を知る

#手術#がんの種類#ステージ
公開日2025.10.01

この記事は、がん情報サービスの記事です。

がん情報サービス ganjoho.jp 国立がん研究センター

がん情報サービスは、国立がん研究センターが運営するウェブサイト。michitekuに会員登録すると、がん情報サービスの中から自分にあった内容の読みものを閲覧できます。

詳しく知る

子宮体がんの治療の第一選択は手術です。手術によりがんを取り除くと同時に、がんの広がりを正確に診断して進行期を決定します。また、手術で取り除いたがんの病理検査を行い、術後の再発リスクを判断します。手術によって決定した進行期と術後再発リスク分類から、放射線治療や薬物療法などの治療をさらに行う必要があるかどうかを判断します。

手術方法は、基本的に開腹手術です。切除する範囲はがんの広がりによって異なります。がんが進行していると広い範囲を切除する必要がありますが、広い範囲を切除すると合併症も起こりやすくなるため、十分に検討して適切な手術方法を選択します。

早期の子宮体がんでは、腹腔鏡手術や、手術用ロボットを遠隔操作して行うロボット手術などの内視鏡手術が可能な場合もあります。内視鏡手術には、手術による創きずが小さくてすむ、術後の痛みが少なく回復が早い、入院期間の短縮が見込めるなどのメリットがありますが、がんが進行している場合には行うことができません。また、2023年12月時点で保険適用となるのはⅠA期の場合のみです。さらに、内視鏡手術が行える施設には子宮体がんの治療や内視鏡手術に十分な経験のある常勤の医師がいる、緊急手術に対応できる体制がある、などの基準があり、すべての病院で受けられるわけではありません。手術の方法については、担当医とよく相談しましょう。

関連情報
手術(外科治療)

1)手術の種類

手術の種類には、切除範囲により、(1)単純子宮全摘出術、(2)準広汎こうはん子宮全摘出術、(3)広汎子宮全摘出術があります。

子宮体がんでは、卵巣に転移しやすいことや、卵巣がんも同時に発生することが多いことから、原則として両側の付属器(卵巣・卵管)も摘出します。また、進行期を正確に知り、術後の治療方針を決めるために、骨盤リンパ節や傍大動脈リンパ節を郭清(取り除く)してリンパ節転移の有無も確認します。ただし、リンパ節郭清によって下肢のリンパ浮腫(むくみ)などの合併症が発症することがあります。類内膜がんのグレード1またはグレード2で、術前にⅠA期と推定される場合には、リンパ節への転移の可能性がとても低いため、リンパ節郭清を行わないこともあります。推定される進行期や組織型によっては、進行期を正確に知るために、大網だいもう(胃から垂れ下がって大腸と小腸をおおっている膜)の切除を検討することもあります。

(1)単純子宮全摘出術

最も狭い範囲を切除する方法で、開腹して子宮と両側の付属器(卵巣・卵管)を摘出します。腟壁の一部を切除することもあります。手術の前の診断で、腟や子宮の周りの組織にがんがなく、子宮体部にとどまっていると推定される場合に行います。類内膜がんのグレード1またはグレード2で、術前にⅠA期と推定される場合には、リンパ節への転移の可能性がとても低いため、リンパ節郭清を行わないこともあります。子宮と卵巣・卵管を摘出するため、妊娠することはできなくなりますが、性交渉は可能です。

図4 単純子宮全摘出術と両側付属器摘出術の範囲
図4 単純子宮全摘出術と両側付属器摘出術の範囲の図

(2)準広汎子宮全摘出術

子宮を支える組織(基き靱じん帯たい)と腟壁の一部を含め、子宮と両側の付属器(卵巣・卵管)を摘出します。膀胱の神経の大部分を温存することができるため、尿が出にくくなるといった術後の排尿のトラブルは広汎子宮全摘出術と比べて少なくなります。子宮と卵巣・卵管を摘出するため、妊娠することはできなくなりますが、性交渉は可能です。

図5 準広汎子宮全摘出術と両側付属器摘出術の範囲
図5 準広汎子宮全摘出術と両側付属器摘出術の範囲の図

(3)広汎子宮全摘出術

最も広い範囲を切除する方法です。子宮とともに、卵管、卵巣、腟および子宮の周りの組織を含めた広い範囲を摘出します。また、骨盤内のリンパ節も一緒に切除するリンパ節郭清を行います。同時に、腹部傍大動脈リンパ節郭清を行う場合もあります。子宮と卵巣・卵管を摘出するため、妊娠することはできなくなります。

広い範囲を切除するため、がんを完全に取りきることができる可能性は高くなりますが、リンパ浮腫、排尿のトラブルなどが起こることもあります。腟が短くなりますが、性交渉は可能です。

図6 広汎子宮全摘出術の範囲
図6 広汎子宮全摘出術の範囲の図

2)手術後の合併症

術後はしばらく創きずが痛むため下腹部に力を入れることが難しく、移動などに困難を感じることがあります。また、排尿のトラブルや、便秘、腸閉塞などが起こることもあります。リンパ節を切除した場合にはリンパ浮腫(足や下腹部のむくみ)が起こることがあります。このほか、閉経前に卵巣を切除した場合には卵巣らんそう欠落けつらく症状しょうじょう(ほてりや発汗など更年期障害と同様の症状)などが起こることもあります。合併症のあらわれ方や症状は人それぞれで、治療法によっても異なります。詳しくは、関連情報「子宮体がん(子宮内膜がん) 療養 2.日常生活を送る上で」をご覧ください。

関連情報
頻尿・尿漏れ
排尿困難(尿が出にくい)
便秘
リンパ浮腫
ほてり・のぼせ・発汗(ホルモン低下による症状)
子宮体がん(子宮内膜がん) 療養 2.日常生活を送る上で
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「子宮体がん(子宮内膜がん) 治療」外部サイトへのリンクを開く
更新日2023.12.21
シェアするXFacebookLineMail

この記事の関連キーワード

#手術#がんの種類#ステージ

日常も、治療も。無理なく整えるアプリ

通院予定や体調、気分の記録まで。
治療のある毎日と日常生活を、ひとつのアプリでやさしく整えます。
今日から使える、無料アプリです。

michiteku YOHA
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
michiteku YOHA
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう

関連する読みもの

Related Articles

がんと診断されてから行う検査

がんと診断されてから行う検査
知識
全般

薬物療法とは〈目的と種類〉

薬物療法とは〈目的と種類〉
知識
全般

がんの「ステージ」とは

がんの「ステージ」とは
知識
全般

がん治療における「標準治療」とは

がん治療における「標準治療」とは
知識
全般

「セカンドオピニオン」に迷ったら

「セカンドオピニオン」に迷ったら
知識
全般

みんなどうしてる?セカンドオピニオン

みんなどうしてる?セカンドオピニオン
知識
全般

がん情報サービスの読みもの

ganjoho.jp Articles

子宮体がん(子宮内膜がん) について

子宮体がん(子宮内膜がん) について
知識
子宮体がん

子宮体がんの薬物療法について

子宮体がんの薬物療法について
知識
子宮体がん

子宮体がんの放射線治療について

子宮体がんの放射線治療について
知識
子宮体がん
現在の読みもの

子宮体がんの手術の目的と方法を知る

子宮体がんの手術の目的と方法を知る
知識
子宮体がん

どうやって子宮体がんの治療方針は決まるのか

どうやって子宮体がんの治療方針は決まるのか
知識
子宮体がん

子宮体がんの診断後に行う検査

子宮体がんの診断後に行う検査
知識
子宮体がん

子宮体がん治療後の経過観察について

子宮体がん治療後の経過観察について
知識
子宮体がん

子宮体がんになりやすい人とは

子宮体がんになりやすい人とは
知識
子宮体がん
読みもの一覧を見る

michitekuはあなたの今後の治療や生活を考えるお手伝いをします

アカウント登録(無料)をすると、あなたの治療状況やお悩みに合わせて必要な記事を見ていただくことができます。

もっと詳しく見る
図書館にいる女性達のイラスト
アカウント
登録無料

michitekuで治療生活をはじめよう

  • トップ
  • 読みもの一覧
  • 子宮体がんの手術の目的と方法を知る

  • 運営会社
  • michiteku YOHA
  • お問い合わせ
  • FAQ
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • ホームページご利用のご注意
COPYRIGHT © 2023 michiteku Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.