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がんの「ステージ」とは

#ステージ#がんの種類
公開日2023.05.24

がんの病状説明では『ステージ』ということばが登場します。日常生活ではなじみのない『ステージ』という用語を耳にして、「そもそもステージってなに?」「ステージが違うと何が違うのだろう?」「ステージによって治療は違うのかな?」など、さまざまな疑問がわいてくるのではないでしょうか。ここでは、がんを理解するうえで重要なステージについて見ていきましょう。


がんのステージ(病期)は何のためにあるのか


ステージは『病期』ともいわれ、がんの広がりや他の部位への転移など進行の程度(がんの状態)を知るための目安です。


医療に関する専門的な内容は難しく感じるかもしれませんが、ステージは病期の進行具合を知るための目安であり、治療方針を決める重要な指標であることを知るだけでも主治医からの説明を聞く際に役立ちます。


がんのステージは治療法を決める目安になる


ステージを決めることは何のために必要なのでしょう。がんと診断された時、「どうして自分が」「何かの間違いじゃ」と心が動揺し、とても強い不安や焦りを感じるのではないでしょうか。がんのステージを知る大きな目的の一つは、これからの治療を考える上で自身のがんがどの様な状態にあるか知ることにあります。


がんと一言にいっても、がんにはさまざまな種類があり、場所や広がり方、年齢、性別など、一人ひとりでがんの状態は異なります。


そこで、病状の特徴を客観的に捉えるためにがんの進行の程度(がんの状態)をステージごとに分類し、がんのステージに合った適切な治療法を検討する際の指標の1つとして利用されています。


がんのステージを決める要素は?


では、がんのステージはどのようにして決められるのでしょうか。がんは進行するにつれて、がんが発生した部位だけでなく、もともととは違う場所へと移動(転移)します。そのため、ステージを決めるためにはがんの大きさだけでなく、がんができた部位からそのまわりへの広がりや、リンパ節・他の部位への転移が重要な要素となります。


少しだけ専門的な医療用語ですが、ステージを分類する方法として『TNM分類』と呼ばれる方法が使われています。T・N・Mとはそれぞれ、


T(Tumor=腫瘍・しゅよう):がんの大きさやひろがりはどうなっているか

N(Lynph Nodes=リンパ節):リンパ節に転移しているかどうか

M(Metastasis=転移):最初に発生したがんから遠く離れた部位(遠隔部位)に転移しているかどうか


を評価し、主にT、N、M3つの要素をもとにがんのステージが判定されています。


がんのステージ分類とは


(TNM分類による)ステージの分類では、がんの大きさ・広がり・転移からがんの進行の程度を判断し、0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期の5段階で表します。『ステージⅠ(ステージ1)』や『ステージⅡ(ステージ2)』などと呼ばれるものはこのステージの段階を表したものです。0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態(早期がん)で、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている状態(進行がん)です。また、ステージはがんの種類によって異なっていたり、がんの種類によっては同じステージの中でさらに細かくステージ分類がされていたりします。


がんの種類やステージにより異なる予後


判定されたステージによって進行の程度がわかったら、「がんは治るのか」「どのくらい生きられるのか」など病気の見通しに関する疑問がわいてくるかもしれません。自身やご家族にとって最大の関心事ではないでしょうか。


がんの治療では、治療効果を知る指標として『生存率』が用いられています。がんの種類やステージによって追跡調査が行われており、集計にもとづくデータから病気の見通し(予後)をある程度知ることができます。


データからあなたのその後を予測するものではありませんが、とても関心が向いてしまうため、あなたの予後については主治医とよく相談してください。


治療効果や治癒の指標とされる生存率とは


生存率とは『あるがんと診断されて一定期間後に生存している割合』をいいます。生存率はがんの治療効果の指標として用いられています。また、一般的に5年後の生存率はがんの治癒の指標として用いられてきました。


『5年』という期間を指標とするのは、がんの特徴と関係があります。がんは、最初に発生した部位から遠くに転移しやすい性質を持っています。転移したばかりの小さながんは、手術などの治療によっても取り除かれず、診断では見つけることが難しいといわれています。転移したばかりのときは発見できないがんでも、がんの種類にもよりますが、多くのがんが5年を経過するまでに発見できる大きさとなるからです。また、再発せずに5年経過すると、それ以降に再発する確率は低くなります。このことから、一般的にはがんの治療効果や治癒を判定する指標として5年生存率が用いられています。しかし、5年生存率のデータから再発の可能性まではわかりません。


ステージごとで治療法の推奨と選択が変わる


がんの治療を行っていくうえで、「手術で全部取り除いてほしい」「つらい治療はいやだな」など、治療について希望や意向があるかもしれません。がんの治療法はどのように決まるのでしょうか。


ステージごとで最良とする治療法が異なることがある


がんの治療は、がんの種類やステージによって医師から推奨される治療法が変わります。


手術は一般に、ステージ1からステージ3の一部でがんを完全に切除できるケースにおいて推奨されており、がんやがんのある臓器を手術により切除します。手術によりがんを切除した場合でも、再発を防ぐために薬物療法を追加して行う場合もあります。


一方、ステージ3の一部やステージ4ではほかの部位に転移がみられ、がんを身体から完全に取り除くことが難しいので、薬物療法を中心とする治療が行われます。


がんの治療では、ステージごとに推奨される治療法を軸に病状や患者さんの希望を考慮しながら主治医と共に治療の方針を決定していきます。主治医とよく相談し、納得できる自分に合った治療法を見つけましょう。


がんの主な治療法について


がんの具体的な治療法は、局所治療(手術・放射線治療)・薬物療法があり、必要に応じて緩和ケアも行われます。これらの方法を組み合わせて治療が行われ、治療方針はがんの種類やステージや患者さんの状態により判断されます。


局所治療を行った部位のがんは取り除くことができるので、高い治療効果が期待できます。しかし、がんは小さい場合でも簡単に他の細胞へと広がりやすい性質をもっているため、局所治療は治療を行った範囲外に広がったがんに対しては効果を発揮しません。そこで抗がん剤や分子標的薬など薬物治療を中心した全身治療が行われます。


その他、苦痛や痛みを和らげる緩和ケアがあります。緩和ケアはステージに関係なく開始できます。


がんのステージを理解することで自身の状態・今後について知る


がんと診断され、「がんは治るのか」「どうすればがんを治せるのか」などたくさんの不安の中で主治医と治療方針を決めていくことはとても大変なことです。


その時にがんのステージを理解することは、ご自身の病状や今後の病気の進み方を知る目安の一つとなり、治療法を選択する際の判断を支えてくれます。


わからないことは主治医に聞いてみる


がんの病状説明では、がんと診断された気持ちの不安や落ち込みに加えて、医療に関する専門用語によって不安が増すことがあります。


ここでふれた『ステージ』は、がんの治療方針や今後の見通しを検討する上で重要な指標のため、その意味を理解することで治療法の選択に役立ち、聞きたいことや知りたいことがはっきりしやすくなります。


がんの病状についてわからないことは、口に出して主治医に尋ねるようにしましょう。がん治療では、自身が納得した上で治療を進めていくことが大切です。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 国立がん研究センターがん情報サービス「がんという病気について」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「がんの病期のことを知る」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「5年相対生存率」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「放射線治療」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「手術(外科治療)」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「薬物療法」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「緩和ケア」
  • 静岡県立静岡がんセンター「がん体験者の悩みQ&A 5年生存率と言われていることが1番気になる。私は何年経ったら再発するのか、毎日が心配である。」

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