食道がんの手術
この記事は、がん情報サービスの記事です。
がん情報サービスは、国立がん研究センターが運営するウェブサイト。michitekuに会員登録すると、がん情報サービスの中から自分にあった内容の読みものを閲覧できます。
詳しく知る出典:国立がん研究センターがん情報サービス「食道がん 治療」1)手術について
手術は、がんを含めた食道と胃の一部を切除し、同時にリンパ節を含む周囲の組織も切除します(リンパ節郭清)。食道切除とともに、胃や腸を使って食物の新しい通路を造る手術(再建手術)を行います。がんが、食道の頸部・胸部・食道胃接合部のどの部位にできたかによって手術の方法が異なります。
(1)頸部食道がん
がんが小さく頸部の食道にとどまっている場合、頸部食道のみを切除します。がんの大きさや場所によっては、のど(咽頭、喉頭)や食道すべてを一緒に切除することもあります。食道の再建手術は、小腸の一部や胃を使って行います。咽頭、喉頭を切除した場合、呼吸をする気管の入り口(永久気管孔)を首に作ります。また、声帯がなくなるため声が出せなくなります。そのため、発声法の習得や電気式人工喉頭(発声を補助する器具)を使用したリハビリテーションを行います。
発声のリハビリテーションに関する情報を掲載しています。日喉連は、喉頭がんなどで声帯を切除し、声が出せなくなった人たちが組織する団体です。下記のページでは、発声の訓練を通して社会復帰や会員の交流を図る、全国各地の発声教室が紹介されています。がん相談支援センターでは、患者会や患者サロンなど、同じような体験をした人と話ができる場に関する情報をもらえることもあります。また、困りごとや悩みごとのほか、人工喉頭の購入費用の助成制度などについても相談できます。(2)胸部食道がん
一般的に右胸部と頸部と上腹部を切開し、胸部食道全部と胃の一部を切除します。同時に、頸部・胸部・腹部にわたるリンパ節郭清が必要です。最近では、胸腔鏡や腹腔鏡などを使って傷を小さくする方法もあります。食道の再建は、胃を引き上げて、残っている頸部食道とつなぎます。胃が使えない場合は、大腸や小腸を使います。
(3)食道胃接合部がん
食道と胃のつなぎ目にできる食道胃接合部がんの手術は、がんが食道側にどれくらい浸潤しているかによって、方法が異なります。がんが食道側へかなり浸潤している場合は、胸部食道がんと同様に手術を行います。一方、食道側にあまり浸潤していない場合には食道の上部は残し、食道の下部と、胃の上半分または胃の全部を切除する方法があります。その場合は、腹部の切開のみで手術をすることがあります。いずれにしても周囲のリンパ節郭清が必要です。食道の再建は、残った胃や小腸、大腸を用いて行います。
(4)バイパス手術
がんが大きくなって食道が著しく狭くなり、食物が通らなくなった場合に、食事ができるようにすることを目的とした手術です。がんのある食道を残し、胃や腸を使って、頸部の食道から胃までを通る新しい食物の通り道を別につくります。バイパス手術に代わって、食道ステント(金属でできた筒状の器具)を挿入する場合があります。
2)手術に伴う主な合併症
食道がんの手術に伴う合併症には、縫合不全(つなぎ目のほころび)、肺炎、嗄声(声のかすれ)、肝・腎・心臓などの臓器の障害などがあります。これらの合併症が死につながる確率は、2〜3%とされています。特に、高齢者や別の臓器に障害をもっている人で起きやすくなります。
(1)縫合不全
手術のときに消化管を縫い合わせたところがうまくつながらなかった場合に、つなぎ目から食物や消化液が漏れて、炎症が起こり痛みや熱が出ます。縫合不全が起こった場合は、手術後の食事の開始が遅れます。食事を控えて様子をみながら治るのを待ちますが、場合によっては、再手術が必要になることもあります。
(2)肺炎
手術後は、寝ていることが多く、痛みもあるため、肺の奥の痰が思うように出せなくなって肺炎が起こることがあります。また、手術のときに、誤嚥防止の役割がある声帯の神経を触ることで誤嚥しやすくなり、肺炎を起こすことがあります。
(3)嗄声
手術のときに、発声の役割のある声帯を調節する神経(反回神経)を触ります。そのため、手術後に神経機能が低下し、嗄声(声のかすれ)が起こることがあります。多くの場合、嗄声は3〜6カ月程度で回復します。嗄声があるときには、嚥下時にむせないように注意することも必要です。食べ物や飲み物を飲み込むときにむせる場合には顎を引いて飲み込んでください。
この記事はお役に立ちましたか?
日常も、治療も。無理なく整えるアプリ
通院予定や体調、気分の記録まで。
治療のある毎日と日常生活を、ひとつのアプリでやさしく整えます。
今日から使える、無料アプリです。

