がんになると、病気や治療のことだけでなく、お金のことも気になります。がんの治療にかかるお金にはさまざまな種類があり、場合によっては長期にわたりかかるものもあります。治療を受けるにあたって、自分がこれから受ける医療にかかるお金の目安や、通院や治療、治療後の療養生活を経済的に支える支援制度を知っておくことはとても大切です。ここでは、がんの治療にかかる主な費用、利用できる経済的支援制度とその相談窓口についてまとめました。
1.がんの治療にかかる主な費用
がんの治療には、検査費や入院費など、さまざまな費用が必要になります(表1)。自分がこれから受ける医療にどのくらいのお金がかかるかの目安は、担当医やがん相談支援センター、病院の会計窓口に確認することができます。
それらの費用は、公的医療保険で負担を一部軽くすることができる場合があります。また、公的医療保険制度の対象にならないものでも、就業や収入の状況、身体の状態などに応じた支援制度が利用できることもあります。まずは自分に当てはまる制度がないか、確認してみましょう。
公的医療保険等の対象となる費用 | それ以外にかかるお金 |
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2. お金について相談できる場所
治療が始まる前に、通院や治療、治療後の療養に必要なお金や利用できる経済的支援制度などについて調べておくことで、お金に関する心配を軽くすることができます。「医療費が払えるか心配」「自分に当てはまる制度がどれかわからない」「どこに相談したらいいのかわからない」というときには、まずは「がん相談支援センター」などの各医療機関の相談窓口、ソーシャルワーカー、各自治体の相談窓口に尋ねてみましょう。また、企業に勤めている場合には、社会保険労務士などの社会保険制度の専門家も相談先のひとつです。
誰でも無料で相談できる「がん相談支援センター」をご利用ください
「がん相談支援センター」は、全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている、がんに関する相談の窓口です。病気や治療、療養のほか、治療にかかる費用や、負担を軽くするために利用できる制度についても相談することができます。
医療費の負担を軽くする公的制度 | ||
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相談内容 | 利用できる制度 | 相談窓口 |
医療費の払い戻しを受けたい | 高額療養費制度 | 加入している公的医療保険 (健康保険組合・協会けんぽ・ 国民健康保険・後期高齢者医療制度) の窓口 |
税金の還付を受けたい | 医療費控除 | 住所地管轄の税務署 |
介護保険制度 | ||
相談内容 | 利用できる制度 | 相談窓口 |
介護が必要となる 可能性がある | 介護保険制度 (訪問介護、訪問看護、 通所介護、福祉用具 レンタルなど) | 市区町村の介護保険担当窓口、 地域包括支援センター、 居宅介護支援事業所、 医療機関の相談窓口 (退院支援担当等)など |
生活を支える制度(生活費などの助成や給付など) | ||
相談内容 | 利用できる制度 | 相談窓口 |
休職を検討したい | 傷病手当金 | 勤務先の担当者、協会けんぽ、 健康保険組合など |
雇用保険基本手当の 受給期間延長制度 | ハローワーク | |
生活や仕事などが 制限される可能性がある | 障害年金・障害手当金 (一時金) | 年金事務所、年金相談センター、 市区町村の国民年金担当窓口 |
がんの治療で障害 (例:人工肛門など)が 残る可能性がある | 身体障害者手帳 | 市区町村の障害福祉担当窓口 |
生活が苦しい・ 生活にかかる経済的支援を 受けたい | 生活福祉資金貸付制度 | 市区町村の社会福祉協議会 |
生活保護制度 | 住所地管轄の福祉事務所 | |
民間保険 | ||
相談内容 | 利用できる制度 | 相談窓口 |
保障の内容を確認したい、 給付金などを受け取りたい | 給付金、各種特約 | 加入している保険会社の担当者、 窓口、コールセンターなど |