がん相談支援センターなどの相談の現場では、日々、患者さんからさまざまな声が寄せられています。相談員は、そうした不安や迷いを受けとめながら、患者さんの思いを少しずつ整理していけるよう、一緒に話を進めていきます。
先生にお任せしていますが、副作用のことがよくわからず不安です
治療や副作用についてわからないことがあるときは、遠慮なく主治医に聞いてください。主治医の説明が難しいと感じたら、「簡単な言葉に言いか換えてほしい」とお願いしても大丈夫です。
診察の前にメモにまとめておくと、聞き忘れを防ぐことができます。また、家族や看護師と一緒に説明を聞くことで、理解が深まりやすくなることもあります。
がん相談支援センターは、主治医以外と気軽に相談することができる場所です。診察時に受けた説明を整理したり、次に聞きたいことを整理するなどもサポートしてくれます。
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医療者とよい関係をつくるには
説明された副作用は、すべて起こるのでしょうか?
説明を受けた副作用が、すべての人に起こるわけではありません。副作用には、それぞれ起こりやすさ(頻度)があります。同じ治療を受けていても、年齢や体調、併用している薬などによって、症状の出方や強さには個人差があります。
気になる症状があらわれたときは、我慢せず、気づいた段階で主治医や看護師に相談しましょう。早めに伝えることで、その後の対策をとりやすくなります。
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薬物療法【詳細編】 3. 薬物療法の副作用
今の生活や仕事が続けられるのか、不安です
治療による影響は、患者さんによって異なりますが、副作用があらわれやすい時期や期間の目安を知ることで、その後の生活の見通しが立てやすくなります。
また、必ずしも仕事を手放す必要はありません。副作用の出る時期やその程度には個人差がありますが、働き方や勤務スケジュールを調整しながら治療と仕事を両立している方もたくさんいます。
仕事を続けたい方は主治医と相談のうえ、なるべく早い時期に産業医や人事担当者に相談したり、休職制度や傷病手当金などの公的制度も視野に入れたりして、仕事を続けやすい環境づくりを目指しましょう。
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あなたらしい生活を続けるために
副作用で家族に迷惑をかけてしまわないか心配です
家族との生活に不安を感じる方は少なくありません。しかし、ご本人の不安な気持ちや体調を伝えることは、 家族にとってもサポートをするうえで大きな助けになります。
体調が落ち着いているときに「起こりやすい副作用」「体調がつらくなりやすいタイミング」「日常生活で気をつけていること」などを共有してはどうでしょうか。
また、がん相談支援センターは家族も利用でき、家族の不安や負担について相談したり、支え方の工夫を一緒に考えることができます。無理のない関わり方を見つけていきましょう。
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家族の思いを理解するヒント
副作用がもっと少ない治療もあると聞いたのですが…
インターネットなどで「副作用が少ない治療」という情報を目にすることがあるかもしれませんが、副作用が少ないからよい治療というわけではありません。
治療の選択には、その効果や安全性、ご本人の生活や希望を含めて、総合的に検討することが大切です。
治療方針について迷いがある場合は、セカンドオピニオンとして、ほかの医師の意見を聞くこともできます。これは公式に認められている方法で、今の治療を否定するものではありません。納得できる形で治療を選ぶためにも、気になることは、遠慮せず主治医や医療スタッフに相談してみましょう。
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あなたにとっての「最適な治療」を医療チームが支援します 1. あなたの希望をふまえて、「最適な治療」を一緒に見つけます
ドラマのように、激しく吐いたりするのでしょうか?
副作用の出方には個人差があるため、すべての人がドラマでイメージするような強い吐き気や嘔吐を経験するわけではありません。また、現在では治療の際に制吐剤(せいとざい)を使うことで、症状を軽くしたり、起こりにくくしたりする対策が可能です。
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吐き気・嘔吐 3. 吐き気・嘔吐を予防するために・起きたときには
副作用による外見の変化で周りの目が気になります
治療の副作用により、脱毛や爪・皮膚の変化など、外見が一時的に変化することがあります。現在、多くの医療機関では、これらの外見のケア(アピアランスケア)を重要な治療の一環ととらえ、 医療用ウィッグや帽子、スキンケアなど、日常生活で取り入れやすい対策が用意されています。
医療機関によっては、アピアランスケアの専門窓口が設けられていることもあります。ひとりで思い悩むことなく、自分に合った工夫を医療スタッフや専門の相談員と一緒に考えていきましょう。
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アピアランスケア:がんの治療による外見の変化とケア
おしゃれは、あきらめるべきでしょうか?
治療中もおしゃれをすることは、健全な気持ちを保ち、生活の質(QOL)を支えることにもつながります。
治療の影響で、これまでと同じことができなくても、ウィッグや帽子、眉メイク、スキンケアなど、外見の変化に合わせたケアの方法もあります。 ただし、薬物療法による一部の薬剤では、爪がもろくなったり、剥がれやすくなることがあるため、つけ爪は勧められないことがあります。ネイルカラー(マニキュア・ペディキュア)については、治療内容や爪の状態によって使える場合もありますので、使用前に主治医や医療スタッフに確認すると安心です。
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アピアランスケア:がんの治療による外見の変化とケア
手先の痺れが生活や趣味に影響しないか心配です
薬物療法の影響で、手足のしびれ(末梢神経障害)が起こることがあります。これは特定の薬剤でみられる副作用の一つですが、その出方や程度には個人差があります。
しびれが強い場合は、細かい作業や、包丁や火を使う作業では、思わぬけがにつながらないよう注意が必要です。
一方で、体調に合わせれば、料理や趣味を続けられることも多くあります。持ちやすい調理器具を使ったり、こまめに休憩をとるなど、工夫できることがあります。
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しびれ
食べ物の味が、わからなくなってしまうのでしょうか?
味を感じにくくなる(味覚の変化)といった症状がみられることがあります。多くの場合、こうした味覚の変化は一時的で、治療が終わると徐々に回復していくことが多いとされています。
味を感じにくいときは、食べやすい味付けにしたり、料理の温度を変えたり、香りを生かした工夫が役立つことがあります。
つらさが続くときは、我慢をせずに主治医や医療スタッフ、栄養士に相談しましょう。体の状態に合ったアドバイスを受けることができます。
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味覚やにおいの変化
旅行に行きたいのですが、あきらめないといけないのでしょうか?
体調が安定する時期や副作用が出やすい時期は、患者さんによって異なりますが、副作用のピークを避けることで、無理のない計画が立てられる場合もあります。まずは主治医に相談し、体調や治療の状況に合わせて、余裕を持ったスケジュールを調整しましょう。
旅行を考える際には、感染リスクや移動距離、万一のときに受診できる医療機関へのアクセスなど、いくつかの確認しておきたいポイントがあります。初めての旅行や不安な時は、主治医や医療スタッフに相談して、楽しい旅にしましょう。
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がんの治療中、状況や気持ちが揺れ動くのは自然なことです。迷いが生まれたり、不安で立ち止まったりすることも、決して特別なことではありません。そんなとき、あなたの思いを言葉にし、一緒に考えてくれる相談先があります。
状況や気持ちは人それぞれ違い、必要な情報やサポートも同じではありません。「こんなことで相談してもいいのかな」と感じるようなことでも大丈夫です。少し立ち止まって思いを言葉にしてみることが、納得できる治療や選択につながることもあります。小さな疑問や不安でも、気軽に相談してみてください。
取材協力:いわき市医療センター、公立藤田総合病院、総合南東北病院、竹田綜合病院(※五十音順)


