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出血しやすい・血小板減少

#薬物療法#放射線治療#日常生活
公開日2024.10.10

この記事は、がん情報サービスの記事です。

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1.血小板減少について

血小板は血液に含まれる成分の1つで、血管の傷ついた部位に集まってかたまりをつくり、止血をする作用があります。血小板が減少すると、出血しやすく、血が止まりにくくなります。

血小板が減少したときにあらわれる主な症状には、以下のようなものがあります。

  • あおあざができやすい
  • 鼻血が出やすい、止まりにくい
  • 手足に点状出血(細かい点状の皮下出血)ができる
  • 血尿(尿に血が混じる)、血便(便に血が混じったり便の表面に血が付着したりする)が出る
  • 月経時の出血量が多くなる
  • 歯ぐきや頬の内側、舌などの口の中の粘膜から出血する

血小板の正常値は、15~35万/mm3です。5万/mm3以下になると出血しやすくなり、軽くぶつけただけであおあざができたり、歯磨きのときに出血したり、鼻血や血尿、血便が出たりすることがあります。1万/mm3以下になると、まれに脳内出血などが起こる場合もあります。

2.原因

がんやがんの治療により、骨髄でつくられる血小板が少なくなった場合や、血小板が過剰に壊された場合に、血小板減少が起こります。そのほか、がんやがんの治療とは関係なく血小板が減少することもあります。

1)がんが原因となる血小板減少

白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液のがんでは、がんが骨髄に浸潤しんじゅんすることで血液細胞を十分につくることができなくなり、それが原因で血小板が減少します。

また、血液のがんや、肝臓がん、肺がん、胃がんなど一部の固形がんでは、全身の血管内で血液が固まりやすくなる「播種はしゅ性血管内凝固症候群(DIC)」を起こすことがあります。DICを起こすと血小板を大量に消費するため、血小板が減少して出血しやすい状態になります。

2)がんの治療による血小板減少

薬物療法や放射線治療など、がんの治療の影響で骨髄の働きが低下し(骨髄抑制)、血小板が減少します。また、薬剤(がんの治療薬を含む)が原因となって起こる免疫作用(抗体の産生)によって血小板が壊され、血小板が減少することもあります。

細胞障害性抗がん薬や分子標的薬などを用いた薬物療法では、治療から1週間目ごろに血小板の減少がみられ、2~3週間目で最も低い値になります。薬物療法を繰り返し行っている場合は、早い時期から血小板の減少がみられ、回復にも時間がかかる傾向があります。

放射線治療では、骨髄が多く含まれる骨盤や胸骨などに放射線をあてることで骨髄抑制が起こり、血小板が減少することがあります。

イメージイラスト

骨髄抑制は、血小板減少と同時に赤血球や白血球の減少を伴うことがあります。赤血球が減少すると貧血になりやすく、白血球が減少すると感染しやすい状態になるため、合わせて注意しましょう。貧血や感染しやすい状態についての詳細は、関連情報をご参照ください。

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3.血小板減少が起こったときには

血小板減少の程度や原因、自覚症状などによって、治療が必要になる場合があります。

1)血小板減少の原因に対処する

薬物療法が原因となる血小板減少では、血小板の数や自覚症状によって、薬剤を減量したり、治療を中断したりすることがあります。

2)輸血を行う

血小板の数や自覚症状、血小板減少の原因などにより、血小板の輸血を行うことがあります。輸血を行うかどうかは、医師が慎重に判断します。

イメージイラスト

出血した場合は

皮膚や粘膜から出血したときは、圧迫止血(出血した部位を押さえて止血すること)を行いましょう。出血している部分に清潔なハンカチやタオル、ガーゼなどを当てて、血が止まるまでしっかり押さえます。
血小板が減少しているときは出血が止まりにくいため、止血が確認できるまで十分な時間をかけて圧迫します。
鼻血が出たときは、小鼻を中心に鼻全体を親指と人差し指でつまみ、しっかり押さえます。

出血が止まらない場合には、圧迫止血を続けながらすぐに医療機関を受診してください。また、血尿や血便が出た場合も受診してください。出血の状態や自覚症状、血液検査の結果(血小板の数)、血小板減少の原因によっては、出血に対する処置や治療、輸血が必要になることがあります。

4.本人や周りの人ができる工夫

血小板減少を予防する確実な方法はありません。血小板が減少しているときや、その可能性がある場合は、以下のことに気を付けましょう。

1)自分の血液データと体の状態を知っておく

血小板減少が起こる可能性がある場合は、血小板の数値を医師に確認し、把握しておきましょう。出血しやすさの目安になります。また、あおあざや点状出血がないかどうか、血尿や血便が出ていないかどうかなどを確認することも大切です。入浴時などには全身を観察するようにしましょう。

2)転倒や打撲に注意する

転倒や打撲は大きな出血につながることがあるため、注意が必要です。また、血小板が減少しているときは、同時に貧血になっている場合があります。貧血によるめまいやふらつきで転倒することもあるため、急に立ち上がらない、壁などを伝って歩くなどの工夫をするとよいでしょう。

家の中でも、カーペットや敷居などの段差につまずいて転ぶことがあるため気を付けましょう。滑りやすい靴下や室内履きを履くと転倒しやすくなります。滑りにくい靴下や、かかとをおおう形の脱げにくい室内履きを選ぶとよいでしょう。

転倒や外傷、打撲に注意する イメージイラスト

血小板減少の程度によっては、激しい運動を控えたほうがよい場合があります。運動してもよいかどうかや、行える運動の程度については、担当医に相談しましょう。

3)切り傷や擦り傷をつくらないようにする

ひげそりは電気シェーバーを使う、刃物を使うときは特に注意するなど、切り傷をつくらないようにしましょう。また、皮膚を強くかいたり、こすったりせず、擦り傷をつくらないようにしましょう。

切り傷や擦り傷をつくらないようにする イメージイラスト

4)歯磨きや鼻をかむときはやさしく行う

歯磨きは、柔らかい歯ブラシを使用してやさしく行いましょう。また、鼻をかむときも力を入れずにやさしくかむように気を付けましょう。

歯磨きや鼻をかむときはやさしく行う イメージイラスト

5)排便時に強くいきまない・便通を整える

排便時、強くいきむと出血することがあります。水分を摂取する、食事の工夫をするなどで便秘にならないよう注意し、便通を整えましょう。

6)採血のあとは止血をしっかりする

血小板が低下しているときは特に、採血のあとにしっかりと止血するようにしましょう。圧迫止血が不十分だと、出血したり内出血したりします。

7)飲酒を控える

アルコールは血液を固まりにくくする作用があるため、飲酒を控えるようにしましょう。

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5.こんなときは相談しましょう

抜歯や手術など、出血のリスクがある治療を受ける場合は、あらかじめ担当医に相談してください。また、がんの治療以外の薬を処方されている場合や、それらを飲む可能性がある場合も、担当医や薬剤師に相談しましょう。血栓予防薬や一部の解熱鎮痛剤には、血小板の働きを抑えるものがあり、出血を悪化させる場合があるため、注意が必要です。

また、以下のような場合は、がんの治療を受けている医療機関に連絡し、受診が必要かどうかを確認しましょう。

  • 刺激していないのに、歯ぐきや頬の内側・舌などの口の中の粘膜から出血する
  • 圧迫止血をしても出血が止まらない
  • あおあざができやすい
  • 転倒した
  • 頭を強くぶつけた
  • 血尿が出た

分からないことや不安があるときは、担当医や看護師、薬剤師などの身近な医療者や、がん相談支援センターの相談員などに相談しましょう。

こんなときは相談しましょう イメージイラスト
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「がん相談支援センター」とは

6.参考資料

  1. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構ウェブサイト.重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)血液 血小板減少症;2022年(閲覧日2025年5月26日)https://www.pmda.go.jp/
  2. 総務省消防庁ウェブサイト.一般市民向け応急手当WEB講習 上級救命講習編 直接圧迫止血法(閲覧日:2025年5月26日)https://www.fdma.go.jp/
  3. 国立がん研究センター看護部編.国立がん研究センターに学ぶがん薬物療法看護スキルアップ.2018年,南江堂.
  4. 国立がん研究センター内科レジデント編.がん診療レジデントマニュアル第9版.2022年,医学書院.
  5. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ウェブサイト.一般の皆さん 子どものみみ・はな・のどの病気Q&A 鼻出血;2022年(閲覧日2025年5月26日)https://www.jibika.or.jp/
  6. 日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学(改訂第7版).2024年,南江堂.
  7. American Cancer Societyウェブサイト.Thrombocytopenia (Low Platelet Count);2024(閲覧日:2025年5月26日)https://www.cancer.org/
  8. National Cancer Instituteウェブサイト.Bleeding and Bruising (Thrombocytopenia) and Cancer Treatment ;2022(閲覧日2025年5月26日)https://www.cancer.gov/
  9. 川上和宜ほか編.吉村知哲ほか監.がん薬物療法副作用管理マニュアル第4版.2025年,医学書院.
  10. 岡元るみ子ほか編.がん化学療法副作用対策ハンドブック.2025年,羊土社.
  11. 荒井保明監.あなたが受けられる抗がん剤治療 気になる副作用とかかるお金.2013年,主婦の友社.
  12. 日本臨床腫瘍学会編.腫瘍崩壊症候群(TLS)診療ガイダンス第2版.2021年,金原出版
  13. 日本血栓止血学会ウェブサイト.診療ガイドライン 播種性血管内凝固(DIC)診療ガイドライン2024;2025年(閲覧日2025年5月26日)https://www.jsth.org/wordpress/guideline/

※本ページの情報は、「『がん情報サービス』編集方針」に従って作成しています。十分な科学的根拠に基づく参考資料がない場合でも、有用性が高く、身体への悪影響がないと考えられる情報は、専門家やがん情報サービス編集委員会が評価を行ったうえで記載しています。

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更新日2025.05.29
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