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感染しやすい・白血球減少

#薬物療法#放射線治療#日常生活
公開日2024.10.10

この記事は、がん情報サービスの記事です。

がん情報サービス ganjoho.jp 国立がん研究センター

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1.白血球減少について

白血球は、血液に含まれる細胞の一種で、細菌や真菌(カビ)、ウイルスなどの病原体から体を守る役割があります。白血球には好中球、リンパ球などいくつかの種類がありますが、中でもほとんどの割合を占め、重要な役割を果たすのが好中球です。

白血球が通常より少ない状態(白血球減少)になると、病原体に対する抵抗力が下がり、感染しやすくなります。特に、白血球の中の好中球が500/μL未満になると、感染のリスクが非常に高くなります。

発熱性好中球減少症について

何らかの理由で、好中球が500/μL未満に減少している、あるいは、現在は1,000/μL未満だが48時間以内に500/μL未満になると予測される場合に、体温が37.5度以上に発熱した状態のことを「発熱性好中球減少症」と呼びます。感染症を引き起こすと症状が重症化しやすく、長引きやすい傾向があるため、早急な対応が必要です。

もしも発熱性好中球減少症が起きた場合は、感染の原因を特定するための血液検査や画像検査(X線検査やCT検査など)と同時に、抗菌薬の内服または点滴による治療を受けます。なお、発熱性好中球減少症の発症を予防する目的で、抗菌薬や抗真菌薬、好中球を増やす薬を使うこともあります。また、必要に応じて防護環境(無菌室)に入る場合もあります。

2.原因

がんの治療やがんそのものの影響によって骨髄抑制(血液細胞を作る機能が低下すること)が起こると、白血球が減少します。

骨髄抑制が起こる可能性のある治療として、薬物療法(特に細胞障害性抗がん薬の使用)や放射線治療(特に血液細胞を作る骨髄が多くある骨盤、胸骨、椎体などへの広範囲の放射線照射)があります。

なお、薬物療法は、使用する薬の組み合わせによって、骨髄抑制の起こりやすさが異なります。どの程度、感染に注意する必要があるかは、担当の医師や薬剤師などの医療者に確認しましょう。

また、血液・リンパのがん(白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など)であることや、それ以外のがんの場合は、がんが骨髄に浸潤しんじゅんすることで、骨髄抑制が起こることがあります。血液・リンパのがんで強力な薬物療法を受ける場合は、副作用によってさらなる白血球の減少が起こる可能性があり、感染症に注意が必要です。

関連情報
薬物療法 もっと詳しく 3.薬物療法で注意しておきたいこと
放射線治療の実際 4.副作用と対策
造血幹細胞移植

3.ご本人や周りの人ができる工夫

感染を予防するために、以下のことを心がけましょう。

1)こまめに手を洗う

食事の前や排せつ後、外出後は石けんを使って丁寧に手を洗い、水でしっかり流すことが大切です。ペットのトイレの世話やガーデニングでは手袋を使い、終わった後は手を洗いましょう。

こまめに手を洗う イメージイラスト

2)体を清潔に保つ

皮膚の正常な機能を守り、感染を予防するため、可能な限り毎日のシャワー・入浴を心がけ、皮膚や陰部を清潔に保ち、必要に応じてローション等で皮膚の乾燥やひび割れを防ぎましょう。また、口の中を清潔に保つためにうがい、歯磨きの習慣も大切です。歯ブラシは柔らかいものを使用し、歯茎を傷つけないように注意しましょう。

虫歯がある場合は、がんの治療が始まる前に、歯科の受診をしたり、虫歯の治療が必要かをがん治療の担当医に相談したりしてください。

体を清潔に保つ イメージイラスト

3)傷を作らないようにする

けがややけどに注意しましょう。皮膚に傷が付くと、そこから病原体が入ることがあり、感染のリスクが高まります。

また、便秘や下痢などで肛門周辺の粘膜が傷付くことも感染のリスクとなるため、便秘や下痢が続くときや肛門痛が生じた際には、医師に相談してください。

4)人ごみを避ける

白血球減少が起きているときは、不特定多数の人が集まる混雑した場所に行くことは避けたほうがよいでしょう。そのような場所にやむを得ず行く場合は、必ずマスクを着用するようにします。

また、体調不良の人と会うことは避けましょう。ただし、白血球が少ないからといって、一切外出してはいけない、人と会ってはいけないというわけではありません。気分転換のための外出や人と会うことについて心配があるときには、医師や看護師などに相談してください。

人ごみを避ける イメージイラスト

5)白血球が減少しているときの食事

白血球が少なくなっているからといって、必ずしも特定の食品を避ける必要はありません。しかし、食事を準備する際の基本的な感染対策は守りましょう。

例えば、野菜や果物はしっかり洗う、生の肉や魚には細菌が付いている可能性があるため、まず野菜から調理する、野菜と肉・魚のまな板を使い分けるなどが挙げられます。また、調理した食事は、衛生面から早めに(2時間を目安に)食べるようにしましょう。

WHOが公表している「食品をより安全にするための5つの鍵マニュアル」が参考になります。詳しくは関連情報をご確認ください。

なお、好中球が500/μL以下のときや、好中球減少がなくても造血幹細胞移植後、免疫抑制剤を使用している患者さんなどでは、生もの(生肉、刺身、生野菜)や発酵食品、ドライフルーツ等を避け、十分加熱したものをとることが勧められる場合があります。詳しくは医師や管理栄養士などに確認してください。

イメージイラスト

これらは、一般的な注意点です。一人ひとりの状態や生活にあった適切な感染予防が大切ですので、どのようなことに気を付ける必要があるのか、気になることや分からないことは医師や看護師などの医療スタッフに確認してください。

関連情報
WHOが公表する「食品をより安全にするための5つの鍵マニュアル」の概要が掲載されています。
(公社)日本食品衛生協会 食品を安全にする5つの鍵
白血球が減少しているときの性生活については、以下のページをご覧ください。
がんやがんの治療による性生活への影響

4.白血球減少が予想されるとき、起きたとき

1)薬物療法の延期を検討する

薬物療法を受けているときは、次回の治療が安全に行えるかを確かめるため、血液検査で白血球や好中球の数を調べます。治療の回数を重ねるごとに、白血球や好中球の数の回復が遅れることがあり、数が回復するまで治療を延期することもあります。また、次回以降の治療で使う薬の量を減らすこともあります。

治療が延期になったり、使う薬の量が減ったりすると、がんが進行するのではないかなど心配になるかもしれません。しかし、感染症が起こるとさらに治療が延期になることや、ときには命に関わることもあります。このようなリスクを減らすため、医師は治療の効果と副作用のバランスを十分に考えながら、薬物療法を予定通り行うか、延期するかを検討していきます。

2)好中球を増やす薬の使用を検討する

発熱性好中球減少症が起こるリスクが高い薬物療法を受けるときや、血液・リンパのがんなどで強力な薬を使って治療するため骨髄抑制のリスクが高いときは、あらかじめ、好中球を増やす薬(G-CSF)を使う場合があります。がんの種類や使う薬の種類、治療の目的などによって、好中球を増やす薬を使うかどうかは異なります。副作用も含め、詳しくは担当の医師に確認しましょう。

3)抗菌薬等を予防的に使う

治療の影響で、白血球減少などによる免疫抑制(細菌やウイルスなどの異物から体を守る力が弱くなること)が起こり、感染症にかかるリスクが高いと考えられるときや、造血幹細胞移植などの治療を受けるときは、感染症を予防するために、あらかじめ抗菌薬や抗真菌薬を使うことがあります。

抗菌薬等を予防的に使う イメージイラスト

5.こんなときは相談しましょう

白血球が減少しているときや予測される状況で、以下のような症状があらわれた場合は、感染症が起こっている可能性があります。このような症状があらわれたときには、がんの治療を受けている医療機関にすみやかに連絡し、受診が必要かどうかの判断を仰ぎましょう。

  • 37.5度以上の発熱
  • 悪寒、寒気
  • 咳や痰がでる、のどの痛み
  • 歯の痛み、歯肉の腫れ
  • 皮膚(特に傷口)が赤くなる、発疹
  • 腹痛、下痢(薬の一般的な副作用の可能性もあります)
  • 新型コロナウイルス、インフルエンザ、水痘、麻疹などに感染している人と接触してしまった場合

また、担当の医師に、どれくらい感染に注意する必要があるのか、どのような症状のときに医療機関に連絡をしたらよいかを前もって相談しておきましょう。

なお、がん患者さんにはインフルエンザや新型コロナウイルス、肺炎球菌や帯状疱疹のワクチン接種が勧められています。接種のタイミングは担当の医師に相談しましょう。

こんなときは相談しましょう イメージイラスト
関連情報
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、新型コロナワクチンについては、以下のページもご覧ください。
感染症

6.参考資料

  1. 日本癌治療学会編.G-CSF適正使用ガイドライン 2022年10月改訂 第2版.2022年,金原出版.
  2. 日本臨床腫瘍学会編.発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン(改訂第2版).2017年,南江堂.

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関連情報
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出典:国立がん研究センターがん情報サービス「感染しやすい・白血球減少」外部サイトへのリンクを開く
更新日2023.08.10
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