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体験談
大腸がん

予期せぬ告知から治療スタートまで、あっという間に過ぎる時間。SNSが支えに【人前に出る仕事だからこその苦悩と選択・前編】

#薬物療法#SNS#セカンドオピニオン#仕事
公開日2024.04.11
お名前
M. H.さん
性別
その他
罹患時の年齢
30代
がん種
大腸がん

プロフィール
東京都港区にてバーを経営するトランスジェンダー女性。
2020年4月にステージ4のS状結腸がんと肝臓転移が発覚、余命1年の告知を受ける。腫瘍(しゅよう)を小さくする抗がん剤治療や2度の切除手術を経て、現在(2023年取材時・35歳)も抗がん剤治療を継続中。


2020年4月、32歳のときにステージ4のS状結腸がんの告知を受けたM. H.さん。発見されたとき、がんはすでに手術が困難な大きさで、術前抗がん剤治療でがんを小さくしてから切除手術を行うことに。病気への知識や治療のことなど、頼れる人も少なく、時間もないなかで自らSNSで情報を収集。今回はM. H.さんにがんが見つかったときの状況や治療のことについてお話を聞きました。


突然の告知。つらい思いをするくらいなら…。

―― 大腸がんがわかったきっかけを教えてください。

きっかけは、新型コロナウイルスが流行し始めて間もない2020年の4月にコロナに感染してしまい、2週間ほど隔離入院をしたことです。

入院中にお世話になっていた先生が「最近悪いところとかないの?」と聞いてくださったので、1年ほど前から血便があることを伝えたんです。すると「せっかくだし検査しようか?」とすすめられて、(入院中はできなかったので)退院後に改めて大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けに行き、それでがんが見つかりました。

それまでは「痛くもないし痔かな」と思って血便のことはあまり気にしていませんでした。でもちょうど「そろそろ検査した方がいいかな」と思って、別の病院で大腸カメラの検査の予約を入れていたところだったんです。

―― 告知のときの状況は覚えていますか?

後日、検査結果を聴きに行ったのですが、診察室に入ると先生と看護師さんがいて、先生から、S状結腸がんで、肝臓に転移していて、余命が1年ですって言われて、びっくりして。あ…そうなんだ、と思って。1年って言われたら、もう何もできないかなと思ったんで「じゃあ、このままぽっくり逝きたいんで、楽に死なせてほしいんですけど」って言ったんですよね。でも、薬があって、抗がん剤があってという説明があって。それには治療を今すぐしないと、と言われて、で「…わかりました」みたいな感じになりました。

考える間もなく術前抗がん剤治療がスタート。SNSを活用

―― 告知を受けたとき、一緒に治療の流れなどの説明も受けましたか?

そうですね。この状況だと手術はできないけど、抗がん剤で小さくなれば手術ができるって言われて。こういう薬を使って、こういうルーティンで進めますっていうのは、説明されました。

全体としては4クールか8クール、その後撮影してCT見てみようみたいな感じでした。最初に抗がん剤治療を受けたのが、4月か5月。すぐ始めなきゃってことで、結果としてはそれを2回やったので全部で8クールやりましたね。

2週間に1回病院に行って、2泊3日入院して治療するっていうルーティンで、予定がすごく立てにくくて。病院優先の生活にせざるを得なかったっていう感じですね。

―― 術前抗がん剤治療を開始した前後のことを教えてください。

告知から治療開始までが全然時間がないっていうか…。「もう明日から始めましょう」みたいな感じ、いや当日だったかもしれないです。それくらい時間が与えられないうちに、抗がん剤治療開始という流れでした。拒否権も何もなくて、有無を言わせず“はい開始”みたいな…。でも、これを打たないと死んじゃうんだと思って。

ただ、結果的にはそれがよかったかな、と思います。考える時間も何もなかったけど、それがかえってよかったというか。

治療開始してすぐにTwitter(現X・以下取材時のTwitterで表記)のアカウントを開設しました。で、そこで情報をかなり入手できましたね。

自分も投稿をして、同じ病気の人のアカウントからフォローがたくさん集まって。ネットに出ていない情報もTwitterのDMで教えてくれる人がいたりとか。他にもがん患者用のSNSも使ったりしました。私より前から何年もずっと戦っている方の気持ちや副作用のこと、何が必要とかどんなことが起きるかっていうのとか、抗がん剤じゃない治療をやっている人のこととか、色々な情報が一気に入手できました。

―― 治療の際、SNSが役に立ったのですね。まわりの方へ相談したりセカンドオピニオンなどは検討しましたか?

友人とか信頼できる人には話しました。親とはちょっとなんか…あんまり関係がよくなくて、会ってなくて。相談というか、一応知らせに行ったという感じですかね。ショッキングな話だし、知っている人だけ知っているという状態です。

治療についての相談は病院とのやり取りでしか話してないですかね。

セカンドオピニオンに関しては、最初の先生に、「セカンドオピニオンを聞いても同じことしか言われないよ」って言われて。一応自分でも調べて、標準治療*1がどういうものかっていうのは知っていたのと、どこの病院でもたぶん同じ治療をすすめられるなっていうのは自分でもわかったので、あえて(セカンドオピニオンを)取りには行きませんでした。

*1 科学的根拠に基づき、多くの患者に行われることが推奨される「最良の治療」

―― 抗がん剤治療が始まってからはどうでしたか?

だるさとか、脱毛もそうですし、あと皮膚がブツブツになったり、しびれたりとか。ありとあらゆることが起きて、「生活できない」っていうくらいつらかったです。冷たいものを持つと痛くなっちゃって、持てなかったりとか…。

なかでも見た目に出るのが一番つらかったですかね…。人前に出る仕事をしているので…。職も失ってしまうんじゃないかなと思って、で、働けなかったら生きていけないし。治療もできないから…その仕事を続けていけるように(薬を)打たなきゃいけないので、1年くらいはすごく大変でした。


抗がん剤治療を経て手術へ。その後、再発をしながらも仕事を両立する日々については後編へ続きます。

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#薬物療法#SNS#セカンドオピニオン#仕事

この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

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