ストーマを保有している場合、災害対策においてどのような備えが必要になるのでしょうか。もしものときに困らないように、準備しておくべきものや知っておくべき情報についてお話しします。
Q. ストーマを保有している場合、防災用品としてどのようなものをどれくらい備えておく必要がありますか?
A.基本的な防災用品と合わせて、予備のストーマ装具などを非常用持ち出し袋に入れて、すぐ持ち出すことができる場所に保管しておきましょう。
ストーマ保有者が日頃から携帯しておくとよいもの
- 保険証
- 身体障害者手帳
- 使用している装具のメーカー・商品名と商品番号などを書いたメモ
- ストーマ装具(1セット) など
※そのほかの日常の携帯品についてはこちらをご覧ください
ストーマ保有者の災害時への基本の備え
ストーマ関連で備えておくべきもの
- 10日〜2週間分のストーマ装具
※フリーカットの面板を使用している場合は、事前に穴をカットしておく - 剥離剤や被膜剤など日頃使っているストーマ用品
- 水を使わないタイプの洗浄剤
- ウェットティッシュ
- 廃棄用の不透明なごみ袋
- 医療用テープ(サージカルテープ)
- はさみ
- 衣類を留めておく洗濯ばさみやクリップ
基本的な防災用品
- 飲料水3日分(1人1日あたり3Lが目安)
- 非常食3日分(缶詰、レトルト食品、乾パン、チョコレートなど)
- モバイルバッテリー
- 衛生用品(手指の消毒液、マスク、ウェットティッシュ、歯ブラシやマウスウォッシュ、簡易トイレ、トイレットペーパーなど)
- 医療品(ばんそうこうなどの救急セット、常備薬など)
- 装備関連(軍手、懐中電灯、ヘルメット、ナイフなど)
- 貴重品(現金、印鑑、預金通帳など)
- その他(マッチ、ろうそく、ビニール袋、着替えやタオル、携帯ラジオ、カセットコンロなど)
乳児がいる場合はミルクや紙おむつ、介護が必要な方がいる場合は介護用品、女性の場合は生理用品など、必要に応じて備えておきましょう。
これらの備えを自宅以外にも、可能であれば親族や友人の家、職場などにも分散保管しておくと安心です。またストーマ装具や用品は、年に1回は中身を取り替えておきましょう。
補足情報
閉鎖型のストーマ装具を使用している方
- 避難所では頻繁に装具の交換ができない可能性もあるため、排出口が開放型の装具も数枚準備しておくと安心です。
尿路ストーマの方
- 避難所では夜間用蓄尿袋の使用が難しい場合もあるため、レッグバッグ(脚に装着する蓄尿袋)も数枚準備しておくといいでしょう。
- 導尿している場合は、カテーテルも1~2本備えておきましょう。
洗腸している方
- 避難所では洗腸できる場所や水の確保が難しい場合があるため、もしものときに備えて普段から自然排便法にも慣れておき、装具の準備をしておきましょう。
Q. 予備のストーマ装具などを持ち出せなかった場合、どうすればいいでしょうか?
A.市区町村でストーマ装具の備蓄を行っている、もしくは地元のストーマ販売会社と装具などの物資供給協定を結んでいる場合、避難所などでストーマ装具を受け取ることができます。自分が住んでいる地域でストーマ装具の提供を受けることができるかどうかは、市区町村に確認してみましょう。
また、ストーマ用品セーフティーネット連絡会(OAS)が行う、緊急時のストーマ用品無料提供を活用することもできます。

- OASより被災地のストーマ用品取扱店に現在保有している在庫が被災ストーマ保有者に提供できるかを確認します。
- 対応可能な場合は、取扱店から緊急対応品として提供してもらいます。
・被災地のストーマ用品取扱店が対応できない場合、OASよりストーマ用品を搬送する方法を検討します。
・緊急物資は、各社負担による無償提供品です。現地からの希望などを考慮しますが、在庫状況や被害状況などにより、希望に添えない場合もあります。
(ストーマ用品セーフティーネット連絡会「災害時対応の手引き 2015年4月1日制定」を基に作成)
OASにおけるストーマ用品の受取りなどの最新情報は、下記のホームページより確認することができます。
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会:
http://www.jsscr.jp/saigai/index.html
日本オストミー協会:
https://joa-net.org/howto/disaster/
日本創傷・オストミー・失禁管理学会:
https://jwocm.org/disaster/
Q. 避難所にはストーマ保有者に対応したトイレやお風呂はあるのでしょうか?
A. 現状では、避難所にストーマ保有者に対応した障害者用トイレやお風呂が設置されることは多くありません。
しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災の経験をきっかけに、日本オストミー協会などがストーマ保有者に対応した災害対策について国や地方自治体に働きかけを続けています。
また、2006年12月にはバリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)が施行されるなどし、避難所となる学校などの公共施設にもストーマ保有者に対応したトイレの設置が増えつつあります。
さらに、災害時の障害者トイレの見直しが進んでいる市区町村もあり、例えば東京都立川市では「オストメイト災害関連チラシ」を作成し、ストーマ保有者向けのトイレの設置場所をまとめています。
また、高齢者や障害者、妊産婦などの災害時要援護者のうち、一般の避難所では生活が難しく特別な配慮を必要とする場合には、福祉避難所(特別避難所)に避難することもあります。福祉避難所に避難するかどうかは、保健師などの専門職によって判断されます。受け入れ対象者の情報や確認方法など、事前に市区町村のホームページなどで確認しておくといいでしょう。
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