治療を始めるにあたって、これまでの生活を変化させる必要があるかもしれません。
これからどのように治療に向き合っていったらいいのか。家のこと、仕事のことなど、悩みはつきません。気持ちが落ち込んでしまうのは無理もありません。
しかし、あまり思い詰めてしまっては心にも体にもよくありません。
ひとりで抱え込まず、周りの人の力も借りながら、がんと向き合い、現実的かつ具体的に考えて行動していきましょう。
大切なのは、「信頼できる情報を集めること」と「自分なりの病気に対する心構えを決めること」です。
まずは、「がんの診療の流れ」を確認しながら情報を集め、治療法のこと、病院選びのこと、これまでの生活との兼ね合いなど、あなたがどうしたいか、何を大事にしたいかを一つ一つ考えていきましょう。
がんの診療の流れ
この図は、がんの「受診」から「経過観察」への流れです。大まかでも、流れがみえると心にゆとりが生まれます。ゆとりは、医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう。あなたらしく過ごすためにお役立てください。
がんの疑い
「体調がおかしいな」と思ったまま、放っておかないでください。なるべく早く受診しましょう。
受診
受診のきっかけや、気になっていること、症状など、何でも担当医に伝えてください。メモをしておくと整理できます。いくつかの検査の予定や次の診察日が決まります。
検査・診断
担当医から検査結果や診断について説明があります。検査や診断についてよく理解しておくことは、治療法を選択する際に大切です。理解できないことは、繰り返し質問しましょう。検査が続くことや結果が出るまで時間がかかることもあります。
治療法の選択
がんや体の状態に合わせて、担当医が治療方針を説明します。ひとりで悩まずに、担当医と家族、周りの方と話し合ってください。あなたの希望に合った方法を見つけましょう。
治療
治療が始まります。気が付いたことは担当医や看護師、薬剤師に話してください。困ったことやつらいこと、小さなことでも構いません。よい解決方法が見つかるかもしれません。
経過観察
治療後の体調の変化やがんの再発がないかなどを確認するために、しばらくの間、通院します。検査を行うこともあります。
あなたの近くに信頼できる誰か、頼りになる人はいますか。がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターでは、がんについて知りたい、話を聞きたいという方の相談を受け付けています。その病院にかかっていなくても、誰でも無料で利用できます。また、対面だけでなく、電話などでも相談することができますので、わからないことや困ったことがあったら気軽に連絡してみましょう。