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体験談
大腸がん

直腸がんから3回の肺転移。それでもこんなに元気【転移、ストーマ造設を経て自分らしい生活を見つけるまで・後編】

#定期検査
公開日2024.05.14
お名前
K. S.さん
性別
女性
罹患時の年齢
40代
がん種
大腸がん

プロフィール
神奈川県在住で、夫と息子2人(大学3年生と高校3年生)の4人暮らし。元新聞記者。現在は会社員としてイベントやセミナーの運営全般を担当し、企画・広報・司会まで幅広く携わる。
2018年(当時46歳)、会社の健康診断がきっかけでステージ1の直腸がんが発覚。手術、一時的ストーマの造設を経験する。罹患後1年たたない2019年、肺への転移が発覚してステージ4に。2021年に直腸がん局所再発となったときに永久的ストーマを造設した。これまでに3度の転移性肺がんの手術を行い、2023年3月より経過観察中。
がん罹患後から、自身の経験をYouTubeなどで発信したり、ほかのがん患者さんの相談を受けたりしている。


直腸がんの手術後、肺転移が発覚し、その後の治療生活でもさまざまな局面を経て現在経過観察中のK. S.さん。「がんになっても元気」と言うK. S.さんに、今の気持ちとともに詳しく語ってもらいました。


肺転移がわかり、ステージ4になった

―― 肺への転移はどのように発覚したのでしょうか?

一時的ストーマを閉鎖してから2〜3カ月おきにCT検査を行うことになっていたのですが、2019年3月に行ったCTの検査で影が見つかったんです。

閉鎖手術後の2回目のCTでした。1回目は何も写ってなくて「よかったね」となったのですが、その次の3月の検査で左の肺に影が見つかり、「この大きさではまだ転移かはっきりわからないから、次の6月の検査で大きくなっていたら転移とみなして切ろう」という話になりました。

そして転移と確定になったのがその6月で、切ったのが7月です。

最初に受けた直腸がんの手術から1年経っていないですね。大腸がんからの遠隔転移が見つかったため、ここでステージ4になりました。

明らかに肺が苦しかったら肺転移と言われて納得がいくのですが、めちゃめちゃ元気で、それこそ山登りができているくらい元気になっていたんですよね。本当に突然で驚きました。

だから、画像診断ってとても大事だとも思いました。苦しくなって(自覚症状が出て)からでは腫瘍が大きくなっているので。私は画像でやっと見える5mmくらいの腫瘍が、8mmくらいになった段階で切ってもらえていて、楽に終わっているんです。これが見つかったときに3cmくらいの大きさになっていたら、たぶん呼吸に問題が出ていただろうと思います。

―― この1回目の肺転移の手術後に、抗がん剤治療をしたのですね。

はい、抗がん剤治療は手術の1カ月後の8月くらいから始めて、半年やりました。

「やりますか? どうしますか?」みたいな流れで始めたのですが、必ずしもやらなくてもいいと思ってはいました。やったところでめちゃめちゃ効くものでもないと事前に説明を受けていたので、念のためという感じで始めたんです。今となっては「やったけど、また転移したじゃん」という気持ちでもあります。

抗がん剤治療をしたのは、このときの1回だけです。そのあとはやっていないです。

定期検査は私のマストアイテム

―― 2回目、3回目の肺転移が見つかった時期についても教えてください。

2回目は1回目の次の年で、2020年の3月でした。それも3カ月おきに定期検査を受けているなかで見つかりました。前回とは逆で、右の肺でしたが、同じパターンで自覚症状もなく、影が写っているのですぐに切ったという流れです。

3回目は2022年の12月の検査で左の肺に見つかり、2023年の2月に切除しました。

なので、肺転移に関しては、私はもう慣れましたね。「あ、またですか?」みたいな感じで、本当に平坦な気持ちで受け止められるようになりました。あまりにも繰り返しているし、いちいちびっくりしていたら体がもたないので、今はそんなマインドになっていますね。

―― 3回の肺転移、本当に大変だったと思います。

確かに最初の手術から1年たたないで肺に最初に転移したときは、これはもう本当に終わりだと思いましたよ。遠隔転移でステージ4ということになってしまうので。本当にがんを意識したのはそこかもしれないです。だからそのときは、自分のパスワードなどを全部一覧表にして家族に渡したりしました。また親に対しても、最初のがんを告知したときよりもずっと言いにくかったです。

“肺転移”というのは、本当にパワーワードだと思います。最強の怖さを持った言葉ですよね。でも、最初の転移の手術がうまくいって、転移しても肺は切れるんだ、そして、元気になれるんだ、とわかったのもこのときなんですよね。

これまでステージ1の人が肺に転移して、切除したらどうなるかということを示してくれる人は、誰もいなかったんです。でも自分自身が経験してみたら、また元気になれて、本当に肺をちょっとだけ切ったくらいで、肺に関しては何の後遺症もない。大丈夫なんだとわかりました。ついこの間の3回目の肺転移がきたときはさすがにもう慣れて、本当に自分でも不思議なくらい落ち着いていましたね。

私は「いつも本当に元気なのに、がんなんだね」という感じで、今ここまで来ています。3回転移しているのですが、肺の状態は毎回同じ。何の痛みもない、だけどCTで詳しく見たら影が見つかって「あるんだね?」という気持ちのまま切ってもらっています。それはすごくありがたいというか、検査の結果わかることなので検査は大事だなと思いますね。

もう定期検査は、私のマストアイテムとして設定されています。3カ月おきの検査を5年間やると決めて、2つ先くらいまで予約を常に入れておいて受けています。そこでがんが小さいうちに見えれば、取ってもらえるんですよ。

覚悟はある。でも元気でいさせてもらっている

―― 今は経過観察中とのことですが、どのような気持ちで過ごしていますか?

みんなは私の病歴を聞くと、“結構何度も転移して大変な人”っぽく見えると思います。でもそんなことはなくって、“こういうがんもあるんだ”みたいな気持ちです。

がんってやっぱりこうやって続くものなんですよね。今は経過観察中で、定期的に検査をして確認し、何かあればまた対処するという感じで、何も治療はしていません。でも、この先はどうなるかわからない。私はこの先ずっと元気とは限らないし、その覚悟はもちろんある。けど、今元気だからいいやと思っているし、元気にさせてもらっている感じなんですよ。この状況は、がんのひとつの共通点だと思います。

「元気でも、それでも人はがんになる」。そして「がんになってもこんな元気になっている」。がんを経験して、私はこの2つを同時に伝えたいです。

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#定期検査

この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

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