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体験談
大腸がん

手術そして抗がん剤治療へ。今振り返って思うこと【20代でスタートした治療生活と完治まで・後編】

#治療#手術#薬物療法#治療中の生活
公開日2024.02.13
お名前
K. K.さん
性別
男性
罹患時の年齢
20代
がん種
大腸がん

プロフィール
2014年2月、当時26歳という若さでS状結腸がんを罹患。罹患と同時期に結婚し、現在は妻とふたり暮らし。罹患当時はステージ2のS状結腸がんと一次診断されていたが、術後の病理検査で27カ所のリンパ転移が見つかりステージ3Bと確定。術後の抗がん剤治療をきっかけに、食生活を見直し、運動習慣や職場環境を改善するなど健康的な生活を意識するようになったことで、罹患時から3年で30kg減量したほか、フードコーディネーターなどの資格も取得。そして、2019年3月に完治(通院終了)。
現在は自身の経験を活かして、ほかの患者さんが前向きに治療に向き合えるようにと患者会やがんサロンの運営に励んでいる。


26歳のとき、大腸がんが発覚したK. K.さん。仕事で多忙な毎日と結婚を控えたなかで、最初はとまどいながらも、患者会やサロンに参加したことで病気への考え方を自分なりに整理できるように。治療を進める上で感じたことや、抗がん剤治療でどんな副作用が起こったのかについて語ってもらいました。


手術、そして抗がん剤治療。想定外のことと戦う

―― 治療方針を決める上で、不安や悩みはありましたか?

僕の場合は治療方法として、腹腔鏡手術か開腹手術のどちらを選ぶか、それぞれのメリットとデメリットや段取りについての説明を受けました。腹腔鏡手術の方が術後の回復は早い、腹腔鏡手術でやってみて取りきれない場合は開腹手術に切り替える、などです。

ここ(おなか)にがんがあるっていうのが気持ち悪くて、早く取り出してほしかったので、開腹手術を選びました。

おなかを切ることに対しては、痛み止めや麻酔もあるので不安はなかったし、自分の性格的にもひとりで考えてすぐに答えを出したいタイプなので、決断するのに特に悩みませんでした。

ただ、そこから手術日が2週間ぐらい決まらなかったのには困りましたね。

他のがん患者さんでも、同じ悩みを抱えている方は多くて、内視鏡の検査予約なども取りづらくて困っているという話を聞いたこともあります。手術をいつできるのかわからないという不安を、ずっと抱えたままでいるのがつらかったです。

―― 開腹手術の後、体が回復するまでの入院期間はどのように過ごしていましたか?

手術のあと一晩は集中治療室のようなところにいたのですが、もうその翌日にはその部屋から普通の病室まで自分で歩いて移動しなければいけないということに驚きました。腹筋が使えないのでうまく起き上がれないし、おなかにドレーン*1が1本と、痛み止めでもう1本管が入った状態で、さらに背中にも尿道にも管が入っていて。

「歩かないと腸が動かないから歩いてください」と言われたのですが、動くとおなかが痛くて大変でした。

それで歩かずにいたら、予定よりも2〜3日腸の動きが遅くなってしまって…。

少しずつがんばって歩くようにして、1週間経ってドレーンが取れたのですが、そこからはすごくスッキリしてたくさん歩けるようになりました。歩けるようになってからは回復も早かったです。

*1 術後に体内の不要な貯留物を排出するために挿入されたチューブ

―― その後、抗がん剤治療が始まったと伺いました。

3月の頭に手術をして、約1カ月後に病理検査の結果が出ました。リンパ節に転移があり、がん細胞が全身に飛んでいる可能性が高いと説明を受け、抗がん剤治療をしましょうと提案されました。

僕は仕事人間だったので、仕事に影響が出ないように日帰りでの治療を選んだのですが、最初だけ、副作用の様子を見るため1泊入院して抗がん剤治療を受けました。

3週間ごとに8クールの治療を進めることになったのですが、最初はほとんど副作用が無くて余裕じゃんって思っていたんです。2クール目でも、なんかちょっと気持ち悪いなって感じるくらいで、これなら全然平気だなと。

でも3クール目には腕がすごく痛くなって、吐き気も始まりました。

4クール目は、反対の腕に投与をしてもらったのですが、手指もしびれてきて。冷感刺激も感じるようになって、夏なのに水道水で顔を洗おうとしたら痛いくらい水が冷たく感じるようになりました。

あと、メンタルもだんだんと落ちていきました。それまでは、土日は必ず遊びに行くか、仕事をするようにしていたんです。でも抗がん剤の副作用で気持ちが落ち込んでいくのを感じて「外に出たくない」「家でゴロゴロしていたい」って思うようになりました。

そんな状態の自分も嫌で、自分の中で葛藤が生まれて。「こんなにつらいなら、もう抗がん剤治療やめようかな」と思うこともありました。

そんな状態をなんとかしたくて、元気なときの自分の調子に戻すといいますか、自分と戦うために、お酒を飲んだりたばこを吸ったりもしました。治療に影響があったかどうかは…わかりません。

―― モチベーションを維持するために、工夫したことはありますか?

抗がん剤で副作用が起こるメカニズムについて調べたのですが、自分の免疫力を高めることが大切だと考え、食事を改善することにしました。

免疫力が上がるような野菜たっぷりのスープを作ってみたり、野菜の摂取を増やしてみたり。栄養のことを勉強していろいろ学んで、自炊をするようにして食生活を変えました。

若くに大腸がんを経験して

―― すでに完治しているとのことですが、今現在は後遺症など何か気になることはありますか?

後遺症がふたつあります。

ひとつは、抗がん剤の副作用による手指のしびれです。寒い日とか、冷たいところで発症します。生活に支障が出るレベルではないんですが、ちょっと気持ち悪く感じるな、というぐらいのものです。

もうひとつは体幹への影響です。開腹手術で一度おなかを切っているせいか、腹筋の使い方を体が忘れてしまったような感じで、腹筋運動がうまくできないんです。

その分、背中や腰に負担がかかってしまっている気がします。体幹トレーニングもやってはいるんですが、やる気が続かないといいますか…。ダイエットと同じで、明日からやろう!と意気込むものの続かないので、いまだに腹筋がうまく使えていない状況です。

―― 若くしてがんを経験したからこそ、伝えたいメッセージがあるそうですね。

僕は26歳でがんを経験しているので、今後も再発や転移の可能性が高いそうです。だから毎年、しっかり検査をした方がいいと医師からも言われているので、人間ドックや大腸カメラでの検査を受けるようにしています。

その検査で2〜3年に1回ポリープが見つかるんです。そのポリープは放っておいたらがんになってしまう可能性があるので、見つかったら切除するようにしています。

国や町などでも大腸がん検査を実施していますが、40歳から受けることができるようになっていますよね。僕は大腸がんが完治したのが31歳のときなので、国などで実施している検査の対象になるまで9年間あります。

その間、人間ドックも大腸カメラも胃カメラもすべて、保険適用ではなく10割負担の自費で受けていて、検査費用は毎年6〜8万円ほどかかっています。5年で完治したので、保険診療にはならないんです。*2

でも2年に1回、がんになる”種”はでき続けています。今のこの状態は、治っていないんじゃないかとも思うし、でも検査で種を見つけてしっかり切除できれば、がんの診断を受けることはない。複雑な気持ちもありますが、検査を続けることはとにかく大事ですね。

*2 K. K.さんの場合、手術後5年間の経過観察期間中に行われる検査などは保険診療でした。その間に再発がなかったため5年で経過観察期間を終え、以降は保険外診療となり全額自己負担をしています。なお、経過観察期間の目安は手術後5年間とされています。

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#治療#手術#薬物療法#治療中の生活

この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
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1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 大腸癌研究会「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2022年版, 金原出版, p50, 大腸癌手術後のサーベイランス」

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