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体験談
胃がん

家族や医師でもないもうひとつの拠り所。複数のコミュニティに参加して得られたこと

#がんコミュニティ
公開日2023.05.24
お名前
Yさん
性別
女性
罹患時の年齢
30代
がん種
胃がん

【プロフィール】

埼玉県在住。夫と子ども2人(7歳と4歳)の4人暮らし。 

下のお子さんの産休・育休中だった2018年3月(当時39歳)にステージ4の胃がんと診断され、その後、抗がん剤治療と胃の全摘手術を経て、現在(2022年)も闘病中。


***


2018年にステージ4の胃がんと診断され、現在も闘病を続けているYさん。コミュニティに参加するほか、自らグループLINEを立ち上げて積極的に仲間たちと情報交換をしています。実際にどのような経緯でコミュニティに参加したのか、またどのような話を仲間として自分の治療に役立ててきたのか、語っていただきました。


全部で6つのコミュニティに参加


――がんになって参加したコミュニティとそのきっかけについて教えてください。


私は全部で6つのコミュニティ(うち3つはグループLINE)に参加しています。


参加した順に時系列でお話しすると、はじめに参加したのは〈キャンサーペアレンツ〉です。このコミュニティは子どもがいる親の会であることをがんになる前から知っていて、自分に何かあったら登録しようと思っていました。


次に〈キャンサーペアレンツ〉から派生したグループLINEに参加し、また自分でも別のグループLINEを作りました。


その後、〈5years〉と〈希望の会〉に参加しました。〈5years〉はみなさんどういう治療をしているのか、どういう副作用が出ているのかなどを調べられるかなと思い、情報を広く集めたかったので登録しました。


〈希望の会〉は、グループLINEで知り合った人に会いたくて、その人が〈希望の会〉主催のオフ会に参加されると知り、私も登録したという背景です。治療例や最新の医療情報を発信してくださっているコミュニティなので、今でも参考にさせていただいています。


また、がんのイベントで知り合った人のグループLINEにも入り、クッキングイベントに参加しました。


――最初のグループLINEにはどのような流れで入られたのでしょうか?


最初に入ったグループLINEのメンバーは、がんの種類もステージもまちまちで、どちらかというと婦人科系のがんでステージが低い人たちが10人くらい集まっていました。


〈キャンサーペアレンツ〉でたまたま「お茶会をやっています」と掲示板に上がっているのを見て、「私も会いに行ったりできるのかな?」と思ったのがきっかけです。当時自分は告知を受けて間もなかったので、とにかく……仲間が欲しかったんです。


〈キャンサーペアレンツ〉は大きなコミュニティなので、登録したからといって仲間ができたという感覚にはならなくて。一歩踏み込んだ仲間が欲しいなら何かの集団に属さないと、と思いました。


――次に、Yさんがご自身でグループLINEを立ち上げた理由について教えてください。


同じ病気(胃がん)かつ同じステージの人が仲間になるコミュニティが欲しかったんです。〈キャンサーペアレンツ〉をきっかけとしたオフ会で知り合った数人とグループLINEをスタートして、その後も何人かお声掛けをして仲間になってもらって、という流れで立ち上げていきました。


全員がステージ4だったのですが、ここに早期のステージの人がいたらまた違っていたのかもしれません。


仲間とのつながりが、自分のお守りになる


――一歩踏み込んだコミュニティに参加するとき、躊躇することはありませんでしたか?


とにかく会ってみようという気持ちだったので、躊躇することは特にありませんでした。同じステージ4で生きている人とつながりたいというか、やっぱりサバイバーに対して尊敬しているところがあって、私も生還したいから生還している人とつながっていたい。


情報が欲しいだけではなくて、希望の存在としてつながっておきたいっていう気持ちが強かったですね。何かあったら生還している人から情報を聞きたいですし、その人の存在自体が自分の守りになる……という感じです。


――仲間ができて、どのような心の変化がありましたか?


そうですね、これまでひとりぼっちだったけれど仲間がいるとわかって、緊張が解けたというのはありますね。


最初に入ったグループLINEの主宰の人がすぐ会いに来てくれたんです。その人はステージ4の子宮頸(しきゅうけい)がんから生還して、もう5年近く生きていらっしゃるんですね。私は当時告知を受けて余命いくばくもないというところにいたので、やっぱりステージ4の告知から5年生きている人の存在は、すごく希望になりました。


前向きに頑張ろうという気持ちになりましたね。自分で立ち上げたグループLINEでも、同じがんのステージ4の人たちにすごく助けられています。


――お互いに助け合う存在として、仲間のみなさんとの距離が近いのですね。


はい、知り合って間もない間柄ではありますけど、感覚的にはすごく近いです。自分が今一番向き合っている“病気という出来事”が共通なので、やっぱり“遠くの親友より、初めましてでも同じ状況の人たちの方が近い”感じではあります。


病気のことは、家族や友達に相談しづらいんです。“しづらい”というのは私の中で2つの感覚があって、1つは「病気なのはあなたではなくて私だから、この気持ちを真にわかってもらうことはできないよね」という感覚。


もう1つは「こんなことを相談したらあなたの負担になるよね」という感覚です。おそらく相手を悩ませてしまうことになると思うので、病気の相談があまりできないんです。となると、やっぱり同じ状況の人たちの方が心を開きやすいんですよね。


だから、例えば病気のことではない日常の愚痴なども、その仲間たちに対しての方がこぼしやすいんです。もともと私は愚痴をよく言うタイプではないのですが「病気の私が愚痴ったら相手はつらいだろうな」という気持ちがすごくあって、友達に対しては、私は笑ってないと……って思ってしまいます。


また夫が心配性なので「ただの愚痴のつもりでも、大病している私が言うと負担になるかな」と思ってしまって、病気になってから余計に話しづらいんです。


でも同じ病気の仲間たちだったら、家族や知人、友人、古くからの幼なじみよりもつらさや不安をわかってくれると思えるんです。その病気と向き合っている同士として、大事な存在ですね。


医師とのやり取りでも、みんなの声が役に立った


――実際に仲間と話をして、どのようなことを助けられましたか?


食事で気をつけていることや、病気の伝え方などについて話しましたね。

「みなさんはママ友や学校に病気のこと伝えていますか?」といったことです。


ほかにも「障害年金はどうしていますか?」「副作用のシミ対策で何かやっている人はいますか?」「治験のための遺伝子検査ってどのような経緯で受けましたか?」といった質問もしましたね。


主治医に聞いた話やセカンドオピニオンを実際に受けた人の話も教えてもらいましたし、そもそも「どういう治療薬を使っていますか?」という質問もしました。


私は治療開始までのスピードを重視していたので、セカンドオピニオンを受けずに、主治医に提案された標準治療をそのまま受け入れて治療をスタートさせました。標準治療は胃がんの教科書通りの治療だとは思うものの、本当にほかの方もこの薬からスタートするのか知りたい気持ちはあったのですが、当時は知るすべがありませんでした。


本当にこれが第1の選択だったのかという振り返りができていなかったのですが、同じ病気の人たちに質問することで、みんな同じような治療をしていることが多いとわかり、問題なかったのだと納得できました。


そうやって自分を納得させるためにも質問をしていましたね。やっぱりメンバー数が多いグループで情報を拾い合った方が、うまく情報共有ができると思います。


――仲間から得た情報は治療をすすめる上でも役立ちましたか?


主治医にいろいろな質問をしやすくなりましたね。「こういうふうに言われている友達がいるんですが、先生、これって本当なんですか?」と聞く感じです。


お医者さんって、知っていることはたくさんあるけれど、患者に言ってないこともたくさんあると思うんですよね。私、知らないことがあったり、何を聞いていいのかがわからなかったりするのが嫌なんです。


みんなが主治医から聞いた情報を持っておけば、まずその内容に興味があるかないか、主治医に聞くか聞かないを自分で決めて、準備をすることができます。


実際、私は遺伝子検査を受けたかったのですが、主治医にかわされるというか、のらりくらりとされて、いつになったら受けられるのかとモヤモヤしていた時期があったんです。でもみんなから得た情報で武装して、主治医に突っ込んで聞くことができました。


――グループのメンバーの中でも特に話しやすい人はいるのでしょうか?


私が作ったグループLINEのメンバーは、全員ステージ4の胃がんなので、まんべんなく仲が良いです。最初に入ったグループLINEは、例えばステージ1の乳がんの人もいるので、死生観についてのコメントをすると“重い”と感じてしまう人たちもいます。


ですので、そういう話をしたいときは「ステージが進んでいるこの人にだけ聞いてみようかな」という感じで、個別に話をしたりはしていましたね。


この4年間で実際に仲間に会いに行ったのは4回くらい、会いたい人に個別に会いに行く感じですね。グループLINEの会話だけで用は足りています。


みんなで温泉旅行に行けたらいいな、Zoomで飲み会をできたらいいな、などと思ったりもしましたが、みんなが同じテンションかどうかわからない中で私が旗を振るのもな……という気持ちもあり、やっぱり個別に会いに行くことにしています。


――今でもコミュニティを活用されているのですか?


〈キャンサーペアレンツ〉も〈5years〉も〈希望の会〉も入りっぱなしですが、グループLINEも含めて、最近の活用の頻度はだいぶ低くなっています。


おそらく、自分の中で聞きたいことが一巡したのだと思います。患者として慣れてきて、聞きたいことがあったら聞くけど、前ほど必要としていないという心境です。


心の負担が減って、情報を効率よく収集できる 


――仲間のコミュニケーションで工夫していることはありますか?


特にネガティブなことは出さないようにしていると思います。「これは愚痴なので聞き飛ばしてください」といった感じで話していますね。


暗い話が続くのは私も嫌だし、周りの人たちも嫌な気持ちになるのではないかと思います。余命に関する話もしないようにしていますね。


また、医学情報でコメントの応酬が始まったときは、憶測論が長引く前にやめることも大切だと思います。


――仲間を持つことの良さは、どんなところにあると思いますか?


1つ目に、1人で頑張らなきゃという気持ちがなくなって、心の負担が減って楽になれること。2つ目に、情報収集ができること。1人では情報収集に限界があるけれど、人数が多ければ多くの情報が短時間で効率よく得られるのでよいと思います。


私は1人ではここまでこられなかったと思っています。もし告知を受けて間もない人や、孤独を感じたりしている人がいたら、仲間がいた方が気持ちが分散できたり、背負っているものを分けてもらったりできると思いますよ。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
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1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

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