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体験談
胃がん

がん治療とお金 ~支援制度の活用と苦悩、治療費外コストへの心の持ちよう~

#お金#治療費
公開日2023.05.24
お名前
Yさん
性別
女性
罹患時の年齢
30代
がん種
胃がん

【プロフィール】

埼玉県在住。夫と子ども2人(7歳と4歳)の4人暮らし。 

下のお子さんの産休・育休中だった2018年3月(当時39歳)にステージ4の胃がんと診断され、その後、抗がん剤治療と胃の全摘手術を経て、現在(2022年)も闘病中。


***


胃がんの診断を受け、治療と副作用により仕事を続けられなくなったYさん。今回は治療費や支援制度など『お金』にフォーカスをあてます。がんを告知された当時のお金に対する考えを初め、活用した制度、治療費以外にかかるコストなどを一つひとつ挙げてもらいながら、それらの選択時の葛藤や工夫を明かしてもらいました。


「お金のことはそんなに心配しなかった」


ーー病気が発覚した時のがん治療のお金に対する心配ごとや不安はありましたか?


お金のことに関しては、高額療養費制度でそれほどかからないってわかっていたので、そんなに心配しなかったですね。医療費以外にこんなにかかるというのは実際に闘病を始めてみてわかったのですが、医療費に関してはそんなに心配していなかったです。


ーーYさんのご夫婦は、以前は共働きでしたね。治療が始まる前後で収入の変化などはありましたか?


私たちは収入も含めて一般的な家庭でしたね。ローンは全部夫で組んでいて、返済は一応ダブルインカムを想定してるって感じでした。旦那のほうが収入は良かったのですが、私が専業主婦のような形になってしまうと家族が生活できなくなるので、どうしたものかなって思ったときはありました。


ただ、会社や国の制度のおかげで私が働いていたときの収入の6割くらいを支援してもらっているので、ローンを返しながらでも生活ができています。でも、いま受けている支援を受けられなくなったら厳しいので、実家に帰ることや働き方を変えるなどの選択肢について旦那と話していますね。


国や会社からの支援制度をいろいろ活用してきた


ーーさきほどお話があった会社や国の制度とはどのようなものですか?


(事前にまとめておいた)今までの収入の流れをざっくりと紹介しますね。まず、2018年の4月から休職してるんですよね。2018年4月から1年間は会社独自の規定による支援制度があって、その1年間は6割くらい給料をもらってたんです。その1年が終わったので、2019年4月から2020年9月までの1年半は会社に在籍したまま傷病手当っていうのをいただいてて、これが国の制度ですね。その後、2020年10月から2021年4月まではまた会社独自の支援を受けました。ただ、この支援は「半年間給料をあげるので、期間内に復帰をするならして、復帰をしなければ辞めてください」というものでした。復帰はしなかったので2021年4月に失業して、そこからは自分で申請をして障害年金を取得しています。「がんで障害年金をもらうのは難しい」と言われていたので、すごくラッキーだなと思っています。失業後は失業手当をもらうという判断もあったんですが、3カ月くらいしかもらえないので。障害年金は定期的に更新が必要で、更新できたらまた国から支えてもらえるし、その時点でダメって言われたら収入が無くなるって感じですね。


自分でトライしたが「二度とやりたくない」


ーー障害年金の申請など「こういうものを申請できるよ」という情報はご自身で調べたのですか?


調べるというか、キャンサーペアレンツのブログを見たり闘病仲間とのLINEグループで話をしたりしていると「障害年金の申請してみようかな」というキーワードが出てくるんですよね。でも、私には障害年金は遠い存在だと思っていて、もっと重症の方が申請するものと思っていたことや「申請方法が複雑で大変な作業」「申請しても通りづらい」という話も出ていたので、特になにもやっていなかったんです。


それが、あるときLINEグループの人が「申請してみよう」と言っていて、その人は私よりも若くて重症ではなかったので、この人が申請するんだったら私も申請してみようと思ったのがきっかけでした。


ーー『申請方法が複雑』という話が出ていましたが、実際に申請してみて難しかったことはありましたか?


申請はとても大変で私は二度とやりたくないなって感じです(笑)。


ただ、お金をもらえるんだったらがんばらないと!という気持ちで乗り切りました。社会保険労務士(以下、社労士)さんにお金を払ってやってもらうこともあるみたいですが、私は自分でトライしてみました。病院でやっている『無料社労士相談会』は何度も利用しましたね。


実際に大変だったことは、申請に必要な医師の診断書を用意することでした。


ーー診断書は病院にお願いして書いてもらったわけではないのですか?


それが、書いてもらった診断書の内容や日付に間違いがあったんですよ。申請書類に記載ミスがあると年金事務所から差し戻しを受けてしまうんです。しかも、期日内に提出しないと診断書をまた取り直す必要があって。そうならないように、病院側に「ここに気を付けてご記入お願いします」という手紙を2回送りましたね。


大まかなことは社労士さんが教えてくれますが、自分で申請する場合は自分で書類を整えないといけないので、『申請マニュアル』みたいな本を図書館で借りてけっこう勉強していました。


ーーそこまで自分が気をつけて用意しないといけないのはかなり大変ですよね


だから、「社労士さんにお金を払って申請してください」という感じなんだろうなと思いました。


「知らなくて損するのは嫌」


ーーこれまでの話をふまえて、制度や専門家を活用する上でのアドバイスがあれば教えてください。


国の制度は細かすぎるし複雑なので、社労士さんやファイナンシャルプランナー(以下、FP)さんのようなスペシャリストに相談するのがいいと思います。私は申請できる制度があることを知らないせいで損してるっていうのが嫌でした。ネットとかで調べてもよくわからないことが多いので、直接相談に行き単刀直入に社労士さんに「稼ぎがなくなるんですけどこの先どうやって生活していけばいいですか」と聞くのが一番だと思います。


また、私は病院を転院していて、それぞれの病院で相談会に行ったので2人の社労士さんと話す機会がありました。実は、勤めていた会社を退社したときに、失業手当をもらうという選択肢もあったんです。その相談を社労士さんにしたとき、1人は「失業手当と障害年金を両方もらえるよ」って言ってくれて。でも、もう1人からは「やめといたほうがいい」と言われたんですね。色々考えた結果、失業手当をもらうことは諦めました。


それぞれ制度の見方や活用方法の考え方など意見が異なる部分があったので、複数のスペシャリストから聞ける方は聞いてもいいかもしれません。


ーー制度の利用でもセカンドオピニオンが必要というイメージですね。


そういうことですね。


「出たとこ勝負でやっていくしかない」


ーーありがとうございます。ここまでは治療費に関連するお話でしたが、治療費以外にもかかった費用はありましたか?


結構いろいろありましたね。まず最初にかかったのは本ですかね。今から思えば図書館で借りればよかったんですけど、Amazonで20冊ほどのがんに関する本を買いました。具体的にいうと、治療に関する本やメンタル系の本を3~5冊ずつ、生活習慣で病気を治そう系の本を10冊以上といった感じです。結局あまり読んではないんですけどそのときは手元においておきたかったんですよね、安心するので。


そのあと本を読んだことで、病気に対して自分でできることがないかなと考えて食事療法に取り組もうと思いました。それに関する食料費がかかりましたね。


また、体のメンテナンスをするための整体や鍼灸(しんきゅう)に行ったり、抗がん剤の影響で敏感肌にも使えるスキンケアに変えたり、あと手足のしびれがあったので手袋や分厚い靴下を買ったりしました。靴下を分厚くしたので、それに伴い靴のサイズも変更しました。


ほかにも、冷たいものに触れないので食器とかカトラリーを変えました。脱毛が起こる薬に変わったときにはウィッグの代金がかかったのと、その毛が抜けて肩に毛が落ちると目立ってしまうので、黒や色の濃い服をいくつか買ったりターバンを購入したりしました。


あとは歯医者さんを2カ月に1回受診して、副作用で歯がボロボロになっていくことを予防してもらっていました。


ーー治療費以外のお金がそんなにかかっているのは驚きですね。その中で、費用についてYさんなりの工夫されたことがあれば教えてください。


副作用とか治療に関わるところはお金を使わせてもらってるって感じなので、治療費以外にかかるお金を抑えるというのはあんまり考えてないですね。あと、副作用の現れ方は人それぞれなので『これを用意しておくとよい』というものはないですね。決まっていることとすると、脱毛したらウィッグを買うことくらいだと思います。それ以外は出たとこ勝負でやっていくしかないという感じです。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
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1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

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