胃がんの手術後、ダンピング症候群の症状に悩まされる方も少なくありません。ダンピング症候群には、食事中や食事のすぐあとに起こる「早期ダンピング症候群」と、約2〜3時間後に起こる「後期ダンピング症候群」があります。この記事では、後期ダンピング症候群についてお話しします。
Q.ダンピングとはなんでしょうか?
A.胃は、食べた物を胃液と混ぜ合わせて吸収しやすい状態にし、一時的にためてから徐々に小腸に送り込む役割を担っています。
胃の切除を行うと、胃の働きが弱まり、ダンピング症候群と呼ばれる全身症状が表れることがあります。
ダンピングとは、ダンプカーが土砂などの荷物を“どさっと落とす”ことを表す言葉です。その言葉のイメージ通り、食べた物が急速に小腸に流れ込んでしまうためにさまざまな症状が表れます。
Q.後期ダンピング症候群には、どんな症状があるのでしょうか?
A.後期ダンピング症候群は食事を取りはじめてから2〜3時間後に起こりやすいさまざまな症状のことで、いわゆる低血糖症状です。
低血糖症状の例
- 脱力感やだるさ
- 疲労感
- 眠気
- 手足のしびれ など
低血糖症状の重症例
- 動悸(どうき)
- めまい
- 手指のふるえ
- 頭痛
- 失神
- 冷や汗 など
また、早期ダンピング症候群でも同様の症状が表れることがあり、早期/後期の症状を区別することが難しい場合もありますが、その症状を引き起こす原因は異なります。
Q.後期ダンピング症候群はなぜ起きるのでしょうか?
A.ごはんやパンなどの炭水化物が急速に小腸内に流れ込むことで、摂取したブドウ糖が急速に血液の中に吸収されて一過性の高血糖を起こします。
その後、ブドウ糖を処理して血糖値を調整する働きをするインスリンというホルモンが過剰に分泌されてしまい、低血糖状態となり症状を引き起こします。

また、痩せ気味で筋肉が少ない人ほど後期ダンピング症候群は起こりやすく、回復しにくい傾向にあります。その症状や度合いなどは個人差があります。
Q.後期ダンピング症候群の症状を防ぐことはできますか?
A.上で紹介した通り、早期ダンピング症候群のひとつの状態である、食事中や食事のすぐあとの高血糖状態が、後期ダンピング症候群を引き起こす原因となります。
そのため、早期ダンピング症候群の予防と同じように食事の内容や取り方を工夫してみましょう。
- 炭水化物を短時間で大量に摂らないようにする
- 1回あたりの食事量を減らし、回数を多くする
- 食後2時間をめどにお菓子や果物などの糖分、パンなどの炭水化物を間食として少しずつ摂取する
- 食べ物はよくかみ、唾液と混ぜ合わせて口の中でかゆ状にしてから飲み込む(1口30回、1食30分くらいを目標に)
また、筋肉はブドウ糖を取り込んで血糖をコントロールするとともに貯蔵する役割を持っています。ウォーキングやダンベル体操などで、筋肉を太らせておくことも予防につながります。ただし、食後すぐの運動は低血糖を誘発するので避けましょう。
Q.後期ダンピング症候群の症状が起きてしまったらどのように対処すればいいですか?
A.低血糖の症状が出たら、アメや氷砂糖などで糖分を補給してください。ジュースや砂糖水など飲み物だと糖を早く吸収できます。また、外出時には甘いお菓子を持ち歩くと、症状が起こりそうになったときにすぐ対処できるのでおすすめです。
食事の工夫だけで改善しないときは、医師に相談してください。
この記事では後期ダンピング症候群について紹介しましたが、症状の表れ方には個人差もありますし、早期ダンピング症候群との区別がつかずに対応に悩む方も少なくないでしょう。
食べることに不安を感じてしまうこともあるかもしれませんが、焦らずゆっくり食事に慣れていきましょう。


