子宮や卵巣の手術を受けたあとには、腸閉塞[ちょうへいそく(イレウスともいいます)]が起こることがあります。この記事では、子宮頸がん・子宮体がん手術後の腸閉塞の原因や対策、予防についてお話しします。
Q.子宮頸がん・子宮体がんの手術後、なぜ腸閉塞が起こるのでしょうか?
A.腸閉塞(イレウス)とは、何らかの原因で腸の中で内容物の流れが止まってしまい、肛門から排出されず詰まってしまう状態のことをいいます。
開腹手術のあとに起こりやすいとされますが、腹腔鏡手術などのほかの手術でも起こることがあります。腹部の手術を行うと、おなかの中で小腸と大腸と腹壁などが癒着してしまうことがあります。癒着自体は開腹手術を行ったあとによく起こることなのですが、その癒着により、腸が折れ曲がったり食べ物の通り道が塞(ふさ)がったりしてしまうと、そこに食べたものや消化液、ガスなどが詰まり、腸閉塞が起こります。
癒着で閉塞した状態の腸に、食べたものが十分に消化されないままダンピング(急降下)すると腸閉塞が起こりやすくなるので、注意が必要です。

場合によっては、癒着や腸捻転(ちょうねんてん:腸がねじれること)などが原因で腸の血行障害を伴う腸閉塞(これを複雑性腸閉塞といいます)が起きる場合もあります。

Q.腸閉塞になるとどのような症状が出ますか?
A.以下のような症状が表れます。
一般的な症状例
- 腹痛
- 腹部膨満感(おなかの張り)
- 吐き気・おう吐
- 便秘、おならが出なくなる
腹痛において、痛みが一定間隔で起きたり止まったりする場合は腸が単純に詰まっている可能性が高いのですが、急な激しい痛みや、おなかの一部が持続的に強く痛む場合は腸がねじれることで起きる腸閉塞の可能性があります。
腸がねじれて血流が途絶えると、腸が壊死(えし:腸管の細胞が死滅すること)して腸に穴が開いてしまうこともあり、命に関わる状態になる可能性があります。
Q.腸閉塞の症状が出た場合、どのような治療がされるのでしょうか?
A.腸閉塞は早期対処・早期治療が大切になります。
絶食することで腸を安静にする、鼻からチューブを通して胃や腸にたまった液体やガスを抜いて減圧する、などの治療法があります。
そういった治療を継続しても改善が見られない場合や腸閉塞が繰り返し起こる場合、腸がねじれて血流が途絶えている場合は、癒着をはがす、ねじれを治すなどの手術が必要になることもあります。
気になる症状が表れたときは、早めに病院に相談しましょう。
Q.腸閉塞を防ぐことはできますか?
A.腹部の手術歴がある人は、腸閉塞になるリスクが高くなる傾向にあります。とくに、手術直後〜手術後の食事に慣れてくる頃までの間に起こりやすいと言われています。
日々の食生活に気をつけながら、便秘を防ぐための適度な運動を取り入れることが腸閉塞の予防につながります。
手術後の生活で気をつけるポイント
- ゆっくりよくかんで、少量ずつ飲み込む
- 水分を食間にこまめにとる
- 消化に悪い食べものには注意する
- 繊維の多いもの(きのこ類、海藻、ごぼうなど)
- 脂肪の多いもの(揚げもの、脂身の多い肉や魚など)
- 刺激の強いもの(香辛料、炭酸飲料、アルコール、コーヒーなど)
- 毎日30分程度のウォーキングを行う
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