排便や排尿の悩みを抱える患者さんにとって、尿や便の不快なにおいは大きなストレスのひとつです。患者さんによってはにおいのストレスや「迷惑をかけたくない」という思いから食事やトイレを我慢してしまい健康状態に悪影響が及ぶことも。ここでは快適な暮らしを保つための尿や便のにおい対策の基本についてご紹介します。
Q.尿や便のにおい対策について教えてください
A.排せつ物が付着した衣類やリネンは、放置すると菌がどんどん増殖してにおいが強まっていきます。部屋の中に充満したにおいが家具や壁にも染み付くと部屋ごと臭くなることも。快適な暮らしを維持するには、何よりもにおいの元を早めに断つことが大切です。におい対策の基本について見ていきましょう。
使用済みのおむつやパッドの処理方法
使用済みのおむつやパッドは素早くビニール袋に入れて密閉してから捨てましょう。このとき、袋の中に消臭スプレーを吹きかけておくと効果的です。においは気温が低いほど分散しにくいため、密閉したビニール袋はなるべく涼しい場所(冬季であれば暖房のない部屋など)に保管しておきましょう。
また、一部スーパーやドラッグストアなどでは、抗菌・消臭機能のあるおむつやパッド、消臭効果の強い洗濯洗剤、衣類・リネン・空間用の消臭スプレー、赤ちゃんやペット用の消臭袋などのにおい対策アイテムが豊富に取り扱われているので、これらを使用してみるのもおすすめです。それでもにおいが気になるときは、脱臭機能付きの空気清浄機や脱臭機を置くことも検討してみましょう。
衣類やシーツが汚れたとき
時間が経つとにおいも強くなるため、衣類やシーツが汚れたときにはできるだけ早めに洗濯するのがベストです。それが難しいときには、汚れをサッと洗い流して洗剤や漂白剤を溶かした水やぬるま湯につけておきます。とくに汚れがひどいときには、汚れた部分を手洗いしてからつけ置きしましょう。
また、汚れが付着した衣類はそのほかの衣類と分けて洗うのが基本です。衣類をためておくカゴなども別々にしましょう。洗濯機を使用するときは詰め込みすぎず、8分目程度に抑えることで汚れが落ちやすくなります。
Q.食生活からにおいを抑えることはできますか?
A.食事や飲み物を工夫することで、尿や便のにおいの軽減が期待できます。主治医と相談の上、無理のない範囲で次のことを試してみてください。
尿のにおい対策
- 日中は水分を多めに摂る:尿の量が増えて尿のにおいが強くなりにくくなります。
- クランベリーの入ったジュースやゼリーを摂る:クランベリーの抗酸化作用や抗菌作用により尿の細菌増殖が抑えられ、尿のにおいが発生しにくくなるとされています。
便のにおい対策
- においが強くなりやすい食品を控える:ネギ、ニラ、チーズ、ニンニク、 アスパラガス、卵などは便のにおいを強めるとされています。