がんの治療を進める上で、大切なことの1つが病院選びです。しかし、たくさんある病院の中から、何を基準に選べばいいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、がん治療のためにどのように病院を選んでいるのかについて、がん経験者の方へのアンケート結果をもとに見ていきましょう。
がんの精密検査をする病院を選ぶ理由
がんの疑いを持ったとき、まずは精密検査を受ける病院を決めます。その際、どのような理由で病院を選んでいるのか、michitekuではがんを経験した方(全国20〜70代の男女・治療中も含む)1,500人を対象にアンケート調査を実施しました。
出典:株式会社michiteku「がん患者さんの治療方針検討に関する実態調査」2022年3月実施 回答数:がん経験者1,500人(複数回答)
結果としては、「前医(医療機関)からの紹介(41.4%)」という回答が最も多く、次いで「自宅や勤務先などからの通いやすさ(31.9%)」が並びました。
精密検査の段階では、まずはスムーズに検査を受けることを優先し、紹介された病院の中から、アクセスのしやすさも考慮して選んでいる状況が伺えます。
手術する病院を選ぶ理由
精密検査を受けた後、がんと診断され手術が必要となった場合は、手術を受ける病院を決めることになります。
出典:株式会社michiteku「がん患者さんの治療方針検討に関する実態調査」2022年3月実施 回答数:がん経験者1,500人(複数回答)
この設問では「精密検査を受けた病院と同じ病院(32.2%)」を選んでいる方が最も多く、その次に「自宅や勤務先などからの通いやすさ(24.0%)」「がんの疑いを持った時の病院と同じ病院(23.3%)」「病院の実績(執刀数など)(23.2%)」がほぼ同列という結果となっています。
精密検査を受ける病院を選ぶときと同じ理由が多く挙げられていますが、手術を受ける際には、執刀実績や専門性など、受けられる治療の内容を選択要素に加える方の割合が高くなっている傾向にあります。
がんの治療のため、通院する病院を選ぶ理由
手術をした後、また手術以外の方法でがんの治療を行う場合など、通院が必要になることもあります。
出典:株式会社michiteku「がん患者さんの治療方針検討に関する実態調査」2022年3月実施 回答数:がん経験者1,500人(複数回答)
通院する病院を選ぶ理由としては「手術した病院と同じ病院(32.5%)」が最も多く、次いで「自宅や勤務先などからの通いやすさ(28.9%)」が多い結果となりました。その他には、「精密検査を受けた病院と同じ病院(25.9%)」「がんの疑いを持った時の病院と同じ病院(23.8%)」という回答も比較的多く挙げられています。
手術後も、そのまま同じ病院で治療を続ける方が多いものの、精密検査を受けた病院や最初にがんの可能性を聞かされた病院に戻って治療を続けるケースも一定数あることが伺えます。
優先したいことを考えて選択する
がん経験者による病院選びについて見てきましたが、シーンや患者さんの状況により、選ぶ理由は様々であることがわかりました。
病院を選ぶ際は、医師から紹介される情報も参考に、通いやすさや実績・専門性など、自身が重視したいことは何かを考えて選ぶとよいようです。
アンケート概要
調査目的:がん患者さんの治療方針検討に関する実態調査
調査期間:2022年3月28日〜3月31日
調査方法:WEBアンケート
調査対象者:全国の20〜70代男女のがん経験者(治療中の人も含まれる)1,500人(大腸、胃、肺、乳房、前立腺の5大がん×各200人、その他がん種500人)