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大腸がん

ストーマ(人工肛門)の基本

#ストーマ#後遺症#治療#日常生活
公開日2023.05.24

患者さんによっては、大腸がんの手術で肛門やその近くを切除し、新たにおなかにストーマ(人工肛門)をつくることがあります。ストーマは日常生活に大きな支障を及ぼすことはありませんが、慣れ親しんだ自らの体が変化することに不安を感じる方も少なくありません。ここでは、ストーマの基本を理解し、実際の生活をイメージできるようにしていきましょう。


ストーマとは?


大腸がんの手術で、肛門や肛門に近い部位の切除が必要な場合は、手術の際にストーマをつくります。ストーマとは、切除して残った側の腸管の端をおへその横あたりから外に出して固定し、新しい排せつ口(肛門)とするものです。ストーマをつくることを「ストーマの造設」といい、造設に伴って、従来の肛門(お尻の穴)は閉じられます。


ストーマには直腸にあるような排せつ物を溜めておく機能はないため、出てくるものを受け止めるためのストーマ袋(装具)が必要になります。排せつ物が溜まっても便意は感じず、ストーマから不定期に排せつ物が送り出されます。


ストーマのある暮らしって?


ストーマ袋にある程度、便が溜まってきたら、トイレに流して処理します。ストーマ装具は定期的に新しいものと交換をします。交換の間隔は、装具の種類によってさまざまで、毎日交換するタイプから、1週間程度装着できるタイプまであります。主治医や医療スタッフと相談をしながら、自身のストーマの種類や便の性質、皮膚の状態に合った装具を選びましょう。


なお、ストーマ造設後も入浴は可能です。自宅での入浴の場合は、ストーマ装具を外しても、外さなくても構いません。装具を付けたまま入浴する際は、事前に排せつ物を処理し、ストーマ装具を小さく折りたたみ、テープで留めておきます。装具を外して入浴しても、ストーマからお湯が入る心配はありません。


これまでのように銭湯や温泉などでの入浴を楽しむこともできます。公共の施設においては、ストーマ装具を付けて入浴するようにしましょう。見た目が気になる場合は、入浴時に装具の上から貼付し、覆い隠すことができる入浴シートを使用するとよいでしょう。



オストメイト対応トイレとは?



このマークはオストメイト(ストーマ保有者)用のトイレなどの設備があることを示しています。


オストメイト対応トイレは、公共交通機関(JR、私鉄、地下鉄)の構内、空港、病院、高速道路のパーキングエリア、官公庁施設、デパート、ショッピングセンター、美術館、図書館など、街の至るところに設置されているので、出かける際は、あらかじめ場所を確認しておくと安心です。



一時的ストーマと永久的ストーマ


ストーマには、手術の後で一時的に使用するものと、手術後ずっと使用するものがあり、それぞれ「一時的ストーマ*1」、「永久的ストーマ」といいます。


一時的ストーマは、主に手術後の縫合不全を予防するためのもので、手術で腸を繋ぎ合わせたところを便が通過しないように、その位置よりも口側(上流)につくられます。2〜3ヶ月後に検査をして問題がなければ、再度、腸を肛門につないで、従来の肛門から行う排せつに戻します。


一方で、永久的ストーマは、主にがんが肛門に近く、肛門を残すことができない直腸がんのケースにおいて、S状結腸を用いて左下腹部につくられます(S状結腸ストーマ*2)。この場合、お尻の穴は閉じ、その後はストーマからの排せつに完全移行します。


ストーマは、つくる位置によって便の性質が違います。一般的に、ストーマの位置が小腸に近いほど便は水様でアルカリ性が強く、量も多いため、皮膚への刺激が強い傾向があります。


一方で、「S状結腸ストーマ」のように肛門に近いストーマの場合は、便が固形(水分が少ない)で中性に近い性質を持つため、皮膚への刺激が弱くなります。


*1 一時的ストーマでは、出口を2つ作る場合があり、口側の腸管が便の出口に、肛門側の腸管が粘液の出口になります(双孔式ストーマ)。

*2 直腸がんでつくられるストーマのほとんどは「S状結腸ストーマ」です。そのほかに「上行結腸ストーマ」「横行結腸ストーマ」「下行結腸ストーマ」があります。


受けられる給付


永久的ストーマを造設した方は、身体障害者手帳を取得することで、申請により日常生活用具(ストーマ装具)給付を受けることができます。自己負担額は原則1割ですが、自治体によって異なる場合があるため、お住まいの市町村の担当窓口に確認しておきましょう。


また、ストーマでの生活には、ストーマ装具だけでなく、さまざまな補助用品が必要になります。日々の生活や経済面などに不安や悩みがある場合は、病院の相談窓口やストーマ外来(ストーマ保有者向けの専門外来)、がん相談支援センターなどに相談することができるので、積極的な活用をおすすめします。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 愛知県がんセンター「がん治療の実際を知ろう! 第1回大腸がん 目で見るストーマの実際」
  • ストーマケアはじめてBOOK,メディカ出版,2022年
  • 日本オストミー協会「オストメイト対応トイレの現況」
  • 静岡県立静岡がんセンター「人工肛門や人工膀胱の装具購入費」

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