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大腸がんの内視鏡治療の流れとその後の注意点

#内視鏡治療#日常生活#治療
公開日2023.05.24

早期の大腸がんは内視鏡治療の対象となり、肛門から器具を挿入して大腸の内側を切除するため、従来の手術のように大腸や肛門を失うこともなく早めに日常生活に戻ることができます。ここでは、大腸がんの内視鏡治療の流れと日常での注意点について確認していきましょう。


内視鏡治療の準備から手術当日まで


大腸がんで内視鏡治療を行う場合の実際の流れについて確認していきましょう。


入院期間は最長で1週間ほど


大腸がんの内視鏡治療では、基本的に入院が必要とされます*1。治療の前日から入院し、治療後はそのまま入院にて3日〜1週間程度の経過観察を行います*2。内視鏡治療では、大腸の機能が大きく損なわれることはなく、治療後は1週間程度で治療前と同じような日常生活に戻ることができます。


*1 ポリペクトミーやEMRでも前日入院が基本ですが、医療機関によっては外来で治療を受けられるケースもあります。入院の場合でも、翌日以降に医師の判断によって退院が可能です。

*2 入院日数は医療期間によって異なります。


スケジュールは主治医と相談を


治療(入院)のスケジュールは、事前に主治医と相談できます。家庭での用事や仕事のスケジュールを確認してから主治医と相談するとよいでしょう。そのためにも、入院期間や治療内容などはある程度周囲の人にも共有するとよいかもしれません。


入院後から内視鏡治療の処置当日までの注意点


入院後、病棟内の案内に併せて翌日の治療スケジュールなども説明されますので、きちんと聞いておきましょう。その際に不明点は確認しておくとよいでしょう。


治療では、大腸を空にする必要があります。そのため前日の夕食後以降は絶食し就寝前に下剤を服用、さらに当日は約2リットルの腸管洗浄液を飲んで治療に備えます。治療直前には大腸の動きを抑える薬を注射します。治療中は、肛門から内視鏡を挿入するときの痛みを和らげるための局所麻酔用ゼリーや潤滑用ゼリーのほか、不快感や不安を和らげるための鎮静剤などを使用することがあります。


治療後の合併症予防と体への配慮で日常生活へ


内視鏡治療は従来の手術に比べて体への負担が小さいとはいえゼロではないため、合併症を起こす可能性も否定はできません。大腸がんの内視鏡治療後も合併症の発症には注意が必要です。


主な合併症とその予防策


大腸がんの内視鏡治療後にみられる主な合併症は、せん孔(大腸の壁に穴があく)、出血です。がん病変の切除部分は、潰瘍(かいよう)ができた状態になっており、その潰瘍部分から出血したり、せん孔になることがあります。大腸にせん孔が起こると、腹痛や発熱などの症状が現れます。


また、治療中の出血は少量であることがほとんどですが、治療後に出血が起こると、血便が見られることがあります。入院中に起こったせん孔や出血などの合併症は、内視鏡による治療が行われますが、ごくまれに手術が必要になる場合があります。治療後にこれらの症状が出たり、何らかの不調を感じた時は、速やかに病院スタッフへ伝えるようにしましょう。


治療後(入院中)は徐々に体を慣らしていく


内視鏡治療後、当日はベッドの上で安静に過ごし、翌日以降に主治医の許可が出たら活動できます。治療当日は、栄養補給の点滴のみのことがほとんどですが、治療後2〜3日目から医師の判断によって食事(おかゆ)を開始し、徐々に通常の食事に戻していきます*3。


*3 ポリペクトミーやEMRの場合は、治療当日の夕食から食事(おかゆ)を開始する場合があります。


退院後約1ヶ月後の初回の外来時には、主治医から病理検査の結果が説明されます。病理検査では切除した組織を顕微鏡で観察し、がんが全て取り切れているか、リンパ節への転移はないかなどを判断するものです。結果によっては、追加で外科手術や放射線治療、抗がん剤治療などが必要になることがあります。


治療後は大腸や体への負担が少ない生活を


内視鏡治療では大腸の機能が保たれるため、退院後約1週間程度でそれまで通りの日常生活を送れるようになります。


食事制限もとくにはありませんが、手術から1ヶ月の間は食物繊維が多い食べ物(海藻類・豆類・ごぼう・タケノコなど)や消化しにくい食べ物(揚げ物・中華料理など油の多いもの)は避けるようにしましょう。また、冷たい飲み物や牛乳、カフェインやアルコールは刺激が強く下痢の原因にもなるので注意が必要です。


運動もそれまで通り行って問題ありませんが、はじめのうちはウォーキングやストレッチなどの軽い運動から始めて、様子を見ることをおすすめします。担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。


気になることは主治医に相談を


大腸がんの内視鏡治療は、経過が順調であればこれまで通りの日常生活を送ることができます。また、治療時の潰瘍部分は、2カ月ほどで完全に治癒するといわれています。


自身の体調変化に意識を向け、何か気になるようなことがあればすぐに主治医へ相談してください。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」より
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「内視鏡治療」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 療養」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A」
  • 国立がん研究センター 中央病院「早期大腸がんの低侵襲な内視鏡治療」
  • 国立がん研究センター 東病院「大腸がん」

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