胃がんは、日本において患者数が多いがんのひとつです。しかし、近年では、内視鏡検査の発達により早期発見・早期治療が可能になったことで、その死亡率は着実に減少しています。胃がんは、がんによる死亡率が上昇する現代においては珍しいがんと言えるのです。ここでは、胃がんの生存率について見ていきます。
生存率とは?
がんの診断から、一定期間が経過した後に生存している割合を「生存率」といいます。
生存率は、「治療によってどのくらい生命を救えるか」を客観的に示す重要な指標のひとつで、その値が100%に近いほど、適切な治療を行うことで命を救える可能性が高いことを意味しています。
中でも、診断から5年後の数値である「5年生存率」は医療現場においてよく使われます。なお、生存率は、死因ががんであるかどうかに関係なくすべての死亡を含めた「実測生存率」と、がんによる死亡のみを抽出した「相対生存率」に分けられます。
胃がんの生存率はステージによって変わる
がんには「ステージ」という進行の程度を知るための目安があり、胃がんでは日本胃癌学会の分類に従ってステージ1〜ステージ4の4段階に分けられます(がんのステージについて詳しく知りたい方はこちら)。
下のグラフは、ステージ別に見た胃がんの5年生存率(相対生存率)です。
国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録全国集計」より作成
胃がんの5年生存率は以下のとおりです
【胃がん 5年生存率】
・ステージ1 96.0%
・ステージ2 69.6%
・ステージ3 42.3%
・ステージ4 6.2%
胃がんステージ1での5年生存率は96.0%に上ります。ステージが進行するにつれ生存率も低下することから、早期発見、早期治療の重要性がうかがえます。