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食事を取りづらいときに

#食事#日常生活
公開日2023.05.24

がん治療中は、感染症などの予防や治療の継続のためにも、体力を維持することが重要です。そのためにバランスの良い食事を取ることが大切になってきますが、お薬の副作用などにより十分な食事を取ることが難しい場合があるでしょう。副作用の症状ごとに、食事の工夫できるポイントを確認し、自身に合う対処のしかたを取り入れてみましょう。


思うように食事を取れない時

がん治療中は、食事に関するさまざまな悩みが出てくるといわれており、その悩みの一つに『食事が取れなくなること』があります。特にお薬による副作用の中でも、消化管が関係する口内炎や下痢は食事への影響がとても大きく、思うように食事が取れない原因の一つとなります。


栄養バランスの良い食事は、体力を維持することに加え、治療で弱った正常細胞の修復や感染症などの予防といった面でも重要です。そのため、がん治療中においてもうまく食事を取る必要があります。


『食べる』ことにこだわりすぎない


がん治療中は、治療による副作用はもちろん、治療だけではない『がん』そのものに伴う生活変化や将来への不安などの『心理的ストレス』からも食欲は低下します。つい「頑張って食べなければ」「食べないと命に関わるのではないか」と考えてしまうかもしれませんが、決して強く思う必要はありません。


医師から食事に対して制限などない場合は、一口でも多く、少しでも美味しそうだなと感じるものを選んで食べてみることから始めてみましょう。


症状別にどんな食事の工夫ができるか


使用するお薬や自身の体調により、現れる副作用の種類や程度はさまざまです。がん治療による副作用で食事が取れない場合は、その症状に合わせた工夫をしてみましょう。栄養バランスを考えるよりも、少しでも口から食べることを優先して考えることが大切です。


食欲がわかない時


食欲が低下している時は、無理せずに自身の好きなものを食べられそうな分だけ食べてみましょう。


食事を盛り付ける量が多いと、視覚的にも「食べなければ」と負担になるので、いつもよりも少量盛り付けるのも効果的です。また、1回の食事量を控えめにしつつ、メニューをカロリーアップしたものに変えてみるのもポイントです。普段の白米をチャーハンにしたり、すまし汁をポタージュスープにしたりすることで、一口ごとのカロリーを増やせます。また、『意識して間食を取る』など食事回数を増やすことができるよう、気軽につまめるものを準備しておくのもよいでしょう。


吐き気・おう吐がある時


吐き気やおう吐がある場合、食事を取ることは難しいかもしれません。吐き気を止めるお薬で予防することもできるので、状態に合わせて主治医に相談してみましょう。また、食事の前にレモン水やお茶などでうがいをすると吐き気予防になるといわれています。


食事のメニューは消化管に負担をかけるような脂っこいものは控え、さっぱりした消化のしやすいものを選びましょう。また、臭いの強い食品(ニンニクやハーブなど)は吐き気を引き起こす可能性もあるので、避ける方がよいでしょう。冷やして食べると臭いが気にならなくなることもあります。


吐き気やおう吐で全く食べられないような場合でも、脱水症状を防ぐために水分やミネラルを取るよう意識してください。場合によっては点滴などでの補給が必要になることもあります。


味覚の変化(味覚障害)がある時


味覚の変化でも、さまざまな症状があります。いつもより味が薄く感じる場合もあれば、何を食べても甘く感じたり、金属のような味を感じたりする場合もあり、その症状は個人差が大きいです。それぞれの症状に合わせた味付けの工夫がポイントです。


味が薄く感じる場合は濃いめの味付けをし、人肌程度まで冷ましてから食べるとよいでしょう。何を食べても苦みを感じたり、金属のような味がする場合は、みそ汁やスープといった汁物の方が食べやすいといわれています。食べ物(具)が汁に包まれた状態で舌を通過するため、不快な味を軽減することができます。


口内炎ができている時


口内炎があって痛みを感じる場合は、酸味やスパイスが効いたような刺激のある料理は控え、薄味のものを選ぶとよいでしょう。人肌程度にまで冷ましてから食べるのも口腔内への刺激を減らすのに効果的です。柔らかくて水分の多い料理、あんかけ料理のようなとろみがあるものも食べやすくなります。市販のとろみ剤を活用するのもよいでしょう。


スムーズに食事を取るための工夫も


症状によっては、食事の際に使用する食器や箸、スプーンなどのカトラリーにも注意を配ることも工夫の一つです。


例えば、手先がしびれてうまく箸が使えないような場合は、食べ物をすくいやすいように工夫されたお皿とスプーンを活用する手があります。食器のフチが少し内側にそった『返し』部分があるような食器で、持ち手部分を固定できるスプーンを使えば、安定して食事を取ることができます。便利な食器や食事補助具などを活用することで、食べ物を口までスムーズに運びやすくなります。


どうしても食事が取れない時は


さまざまな工夫をしても、なかなか食事が喉を通らない時もあるかと思います。場合によっては、足りない栄養素を補ってくれる栄養補助食品(濃厚流動食など)を活用することも検討してみましょう。栄養補助食品は不足しがちなエネルギーやタンパク質、各種栄養素など、それぞれを強化した商品があり、足りない栄養素を効率よく摂取できます。あまり美味しくないイメージもあるかもしれませんが、近年は味も改良されてバリエーション豊かに揃っています。


また、まったく食事が取れないような場合でも水分や栄養を補う方法として、経管栄養や中心静脈栄養があります。経管栄養では、胃や腸にチューブを挿入して、そこに直接栄養剤を注入します。中心静脈栄養では、心臓近くの比較的太い静脈にチューブを挿入し、そこから栄養素などを含む高カロリー輸液の点滴を行います。


このように食事がどうしても取れない場合でもさまざまな対処法がありますので、主治医や院内にいる管理栄養士などに相談してみましょう。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 日本栄養士会「化学療法における食事の工夫」
  • 国立がん研究センターがん情報サービス「経管栄養と中心静脈栄養」

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