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治療が始まる前に家族に相談しておきたいこと

#家族の理解
公開日2023.05.24

がんの治療法を決定する上で、もっとも重要なことは自身の意思です。しかし、長期にわたるがんの治療では、ご家族による支えが欠かせなくなり、自身の意思とご家族の意見が異なる場面も出てくる可能性があります。がんの治療を開始する前に自身とご家族の間で話し合い、明確にすることで、治療を円滑に進めるためのヒントを考えていきましょう。 


治療方針の決定には家族の意見が重要な場合も 


がんの確定診断後、さまざまな検査を経て、医師から治療の選択肢が提示されます。治療選択肢は、これまでの科学的な確からしさ(エビデンス)から、ほぼ1つに絞られることもありますが、時には複数の治療選択肢を提示される場合もあります。複数の治療選択肢がある場合、最終的にどの治療にするかは、自身のライフスタイルや価値観に合わせて決定します。 


長期の治療は家族の支えが必要に 


自身ががんにかかるまで医療に触れる機会が少なく、一人での決定が難しいこともあるでしょう。その場合、主治医の医学的な知見に対して、自身のライフスタイルや価値観の希望を提示したうえで治療を決定することが、望ましい治療選択のあり方です。 


また、がん治療は長期になるほどご家族の支えが必要になることも多く、その分だけご家族の意見も治療方針に大きく影響してきます。あらかじめ、ご家族にどのような理由でその治療に決めたかを説明することで、円滑に治療を受けられます。場合によっては、ご家族が主治医との話し合いに同席して決定するということもあるでしょう。 


標準治療以外の治療選択は 


特に自身とご家族の意見が異なりやすい場面がいくつかあります。例えば『標準治療』以外の治療法を選択する時で、がんの状態によっては明確な標準治療が存在しない場合もあります。 


これらの場合、主治医と自身の話し合いによって方針を決定するのが理想的ですが、ご家族の意見も確認したうえで、最も望ましい治療法を選択することもあります。それにより、ご家族が自身を支えやすくなり、心理的な助けになることもあるでしょう。 


『民間療法』など話しにくい話題も主治医に共有を 


一方、ご家族が、標準治療外の『民間療法』を強く進めることもしばしば起こります。しかし、民間療法が治療に悪影響を及ぼす可能性もあるので、必ず主治医に状況を伝えましょう。

 

家族との話し合いは万が一の際にも自身のためになる 


また、標準治療の選択肢がない場合、積極的な治療を行わず、身体的な苦痛を和らげることが中心の治療へ移行したり、意思表示ができなくなったりした際には、数日単位の延命を目的とした治療もあります。こうした場合に備え、自身の意思を主治医だけでなくご家族にも明確に伝えておくことで、万が一の際にも自身が望む治療法を選択できます。 


さらに近年では、 ACP(アドバンス・ケア・プランニング、人生会議)という取り組みも行われるようになっています。意思表示ができなくなった時期に備えて、あらかじめ自身の考えを家族や主治医を交えて医療機関と相談しておくことで、万が一の際にも自身が望む医療やケアを受けられるようサポートしてもらえる仕組みが、各医療機関で整いつつあります。 


生活面の相談も、円滑に治療を進めるうえで重要に 


生活面も、自身とご家族が事前に話し合うことはいくつかあります。 


誰にどこまでがんであることを伝えるか 


がんのことを誰にどこまで伝えるかは、自身の意思ですが、あらかじめその範囲をご家族に伝えておく方がよいでしょう。ご家族がよかれと思って、望まない親族や友人にがんであることを伝えてしまうことがあるためです。こうしたすれ違いによるストレスは、双方避けたいものです。がんであることをご家族に伝える際、明確に意思表示するようにしましょう。 


仕事と治療の両立 


自身は仕事と治療の両立を希望している一方、ご家族は治療に専念してほしいと望むと、がん罹患後の働き方について、家族内で齟齬が生じる場合があります。自分がどのような働き方を望むか率直に伝え、理解を得られるよう話し合いを進めておきましょう。それにより、円滑な治療にもつながります。

 

家庭内での役割分担 


自身で担っていた家事や育児が、治療中はご家族にお願いしなければならないこともあります。 


手術やお薬による長期の副作用の影響で、長期にわたり家事・育児が難しくなるケースもあります。家庭内での負荷が偏らないよう、親類や外部サービスなど、第三者の力を借りるなどの方針を話し合いで決めるとよいでしょう。 


ご家族の心理的負担 


ご家族も自身のつらい状況をくみ取り、時に心理的負担を抱え込んでしまうことがあります。それゆえに、まわりのご家族は『第二の患者』とも言われます。 


ご家族がどうすれば心理的負担を軽減できるかを考え、お互いが羽を伸ばせる機会を設けてみるのもよいでしょう。自身やご家族にとってがんの治療はとても大切ですが、ライフスタイルは欠かせないものです。適度な余裕を持ち、お互いが継続的に支えられる環境を作りましょう。 


自身の希望を改めて家族に伝える 


ここまでの内容を自身とご家族が共有できていれば、誰にどこまで情報を伝えているか、ご家族も理解できているでしょう。それらに漏れがないか確認し、自身が望んでいることを改めてご家族に伝えてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

佐藤 太郎(さとう たろう) 先生
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 准教授
監修者の写真

1993年弘前大学医学部卒業。内科医、米国での研究留学を経て、近畿大学腫瘍内科へ。2011年より大阪大学大学院医学系研究科に在籍。2023年4月より現職。胃がん、大腸がんなどの消化器疾患の抗がん剤治療や緩和ケア、がんゲノム医療を中心に診療を行っている。

参考資料

  • 国立がん研究センターがん情報サービス「家族ががんと診断されたとき」
  • 静岡県立静岡がんセンター「家族との治療方針に関する不一致」

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